ウルトラマンと鬼太郎の聖地を歩く 片桐仁が怪獣と妖怪の魅力を語る

ウルトラマンと鬼太郎の聖地を歩く 片桐仁が怪獣と妖怪の魅力を語る

アニメや特撮作品に縁のある"聖地"と呼ばれる場所を、思い入れのある出演者が訪れる「なつかしのアニメ・特撮の旅」が、3月23日(月)よりチャンネル銀河で放送スタートする。#5、#6には、彫刻家としても活躍する俳優の片桐仁が出演。片桐が「ウルトラマン」シリーズの聖地「祖師ヶ谷大蔵」と「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる縁の地・調布を訪れた。そこで、ロケの感想と両作品に対する思いをたっぷりと語ってもらった。

■ウルトラマン商店街で「空飛ぶゾフィー」に感動!

――まず、ウルトラマンの聖地である祖師ヶ谷大蔵を歩いた感想をお聞かせください。

「祖師ヶ谷大蔵には、以前円谷プロの怪獣倉庫があったころに取材で来たことがあります。『ウルトラマンレオ』などに登場した怪獣の着ぐるみなどが置かれていて、聖地らしさを感じましたね。30円入れるレッドマンの乗り物といった貴重なものもあり、ボロボロの状態のものもありましたが、すごく興奮した覚えがあります。その後、2005年に『ウルトラマン商店街』ができてからは、スタジオに行く際などに歩いたこともあったのですが、当時はウルトラマンモチーフの街灯などには全く気づかなかったです。

ですが、改めて『ウルトラマン商店街』として歩くと、モチーフの装飾がアール・ヌーヴォーのようで、さまざまな発見があり非常に面白かったです。駅前のカラータイマーが3分間光る仕掛けも素晴らしいですね。ただ、ずっと青色だったので、残り1分は赤の点滅にしてほしいです(笑)」

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――ウルトラマン商店街を歩いて、特に印象に残ったものは?

「『空飛ぶゾフィー』には感動しました。ゾフィーは長男で人気キャラですが、主人公ではないため印象が薄い面もありますよね。強いか弱いかもよく分からない(笑)。ゾフィーが飛んでいる姿自体を見た記憶がなかったので、とても新鮮でした。あとは、やはりカネゴンのベンチです。カネゴンは造形が本当にいとおしく、見栄えがしますよ。『ウルトラQ』を知らない人でもカネゴンだけは知っていますし、今でも人気者ですから。駅の南側は『ウルトラセブン』、北は『ウルトラマン』、西はなぜか『カネゴン』と、商店街ですみ分けができている点も興味深かったです。今年はウルトラマン60周年のメモリアルですが、来年はセブンが60周年なので、南側がさらに盛り上がりそうな気配ですね」

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――特にウルトラ怪獣がお好きだということですが、どんな魅力が?

「僕はフィギュアから入り、大人になってからはソフトビニール人形(ソフビ)のコレクションも始めました。キングジョーだけで20体は持っています。最初に買ったマルサン製は、出来がそれほど良くなく色も水色だったのですが、後で手に入れた金色のリアルなものと見比べると、それはそれで味がある。本物とは似ても似つかないですが、一周回ってかわいく見えてくるんですよね。

カネゴンもキングジョーも、デザインしたのは成田亨さんです。青森県立美術館で僕が個展をさせていただいた際、隣で成田さんの展覧会が開かれていて、彼が真のアーティストであることを思い知らされました。作品集も多数持っていますが、デザインコンセプトが本当に素晴らしいです。また、それを着ぐるみとして作り上げた技術も高く評価されるべきで、僕は怪獣たちの着ぐるみらしいフォルムも大好きなんです」

――ウルトラセブンに登場した「キングジョー」ですね。なぜ、キングジョーが好きなのですか?

「幼稚園のころ、チョコレートの懸賞に応募して当選したのがキングジョーの人形でした。僕の世代だと『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』はリアルタイムではなく、再放送でたまに観ていたのが『ウルトラマンA』や『タロウ』『レオ』のあたりです。たまたま手にしたものだったのですが、色やフォルムなどキングジョーの造形に惹(ひ)かれ、夢中になってしまいました。

だいぶ後になってから登場回の『ウルトラ警備隊西へ』を観ましたが、物語以上に造形として好きになったんです。キングジョーはその後の新作にも何度も登場し、『キングジョーブラック』なども作られているので、相当な人気なのだと思います。何しろ、世界初の分離合体型ロボットですからね」

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■「鬼太郎ひろば」の鬼太郎キャラクター銅像の塗装に感心

――「ゲゲゲの鬼太郎」の街として訪れた、調布の魅力についてはいかがでしたか?

「『ゲゲゲの鬼太郎』は、やはり水木先生の画の力がすごいです。あの漫画をどう立体化するかに注目しましたが、調布にはフルカラーの銅像もあれば、昔ながらの画を立体化したものもあり、バリエーションが楽しめます。

『鬼太郎ひろば』の像はフルカラーで、塗装が非常に凝っていますよ。ぬりかべのクライミングや一反もめんのベンチ、鬼太郎の家を模した滑り台などがありますが、同じ色でも明暗を塗り分けて立体感を出しているんです。フィギュアならともかく、公共の銅像に対してこうした塗り方をするのは珍しく、マニア心をくすぐられました。『河童の三平池』などもあり、非常に楽しいスポットです。ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで造られたそうですが、素晴らしい予算の使い方だと思いました。

ただ、鬼太郎はフィギュアが非常に少なく、あまり種類をそろえられないのが残念です。しかも高価なものばかりで、子泣き爺が1万円したり、プレミアがついていたりもします。なんとか再販してもらえないかと常々思っているんですよ」

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――妖怪がお好きだということですが、妖怪の魅力とは?

「日本古来の伝承や怪談に妖怪を登場させることで、人知の及ばない力を表現する。そんなファンタジーの奥ゆかしさに惹かれます。怖いけれど悲哀もあり、どこかかわいらしいのが妖怪の魅力ですね。

そんな妖怪たちをキャラクター化した水木先生は本当に偉大です。『一反もめん』は鹿児島に伝わる話ですが、水木先生以前に絵にした人はいなかったそうですね。だから鹿児島の人は先生に感謝しているといいます。作品を改めて読むと、単純な勧善懲悪ではなく、不思議な話も多いですが、深みがあって長く愛されています。こうした作品が評価され続けているのはうれしいですね。

調布市が街を挙げて『鬼太郎』に力を入れているのも素晴らしいです。以前ドラマ『ゲゲゲの女房』に貧乏神役で出演させてもらったときは、人間ではない役だけに本当にうれしかったですよ。撮影はグリーンバックばかりでしたが(笑)。いつか調布のどこかに、貧乏神の像も作ってもらえたら最高です」

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――最後に、改めて番組の視聴者の方にメッセージをお願いします。

「祖師ヶ谷大蔵、調布ともに楽しい街歩きができました。ウルトラマンコラボの和菓子や酒、グッズの充実ぶりには驚きましたし、『カフェメロディ』のラテアートにも感動しました。飲んでいるうちにウルトラセブンの姿が崩れてしまうのは少し切ないですが......。

一方、調布の『鬼太郎茶屋』で飲んだ一反もめんのラテアートは、最後まで形が崩れないのがすごかったですよ。『人だまの天ぷら風ドーナツ』も非常においしかったです。この店は深大寺で20年営業していた店舗が移転したもので、メニューも水木先生の漫画を意識しており、"鬼太郎愛"が全開のスポットです。マニアなら唸(うな)ることは間違いありません。どちらの街も聖地として申し分なく、楽しさ満載なので、ぜひ訪れてみてほしいです」

取材・文/渡辺敏樹

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