UFO、宇宙人の真実に迫る!『ムー』編集長・三上丈晴が語る「古代の宇宙人」の魅力
エンタメ 見放題インタビュー
2025.12.27
宇宙人にまつわる目撃情報や不可解な現象を取り上げ、地球における"宇宙人の存在"を多角的に検証してきたヒストリーチャンネルの人気シリーズ「古代の宇宙人」。ナビゲーターであり番組の顔でもあるジョルジョ・ツォカロス氏は、"古代宇宙飛行士説"(※1)の第一人者として知られ、独自の視点と鋭い考察で世界中の視聴者を魅了してきた。2009年の放送開始から長く愛され、J:COM STREAMでは最新シーズン15が見放題独占配信中。今回、同番組にも出演経験があり、UFO問題にも精通する雑誌『ムー』編集長・三上丈晴氏に、番組の魅力や宇宙人と人類の関係について話を聞いた。

――「古代の宇宙人」について、どのような印象をお持ちですか?
「2009年に番組が始まった当初からよく知っていますよ。シーズン1からずっと見ていますし、それどころかシーズン14には私自身も出演していますからね(笑)。ジョルジョに会った時には『ぜひ日本にも来てくれ!』とお願いしたんですが、本当に来日してくれて、一緒に奈良と兵庫を回りました。兵庫・斑鳩寺にある"聖徳太子の地球儀"なども案内しましたよ。今年も番組クルーが来日して、日本のUFO事件を取材として撮影していきました。まだ制作中だと思いますが、おそらくシーズン16で放送されるのではないでしょうか。(※放送予定および内容は未定)
この番組は、いわゆる"古代宇宙飛行士説"を核に、とにかく発想がぶっ飛んでいる。古代遺跡のエネルギーグリッドなど、『ムー』の読者と親和性の高いテーマを次々と扱っていて、一時期は番組に関連する連載をこちらでもしていました。番組が始まった頃はあまり予算がなかったようで、ジョルジョが遺跡を巡りながら語るシンプルな構成が多かったのですが、最近はCGのクオリティーも格段に上がって、全体的に大幅なグレードアップを感じますね。かなりの予算を投入して制作しているのではないでしょうか」

――この番組は、どのような経緯で誕生したのでしょうか?
「『古代の宇宙人』は、ジョルジョ個人の強い思い入れから始まった番組なんです。今では会社まで立ち上げていますが、彼はもともとボディビルダーで、趣味として古代史やUFOを追いかけていたんですよ。ヒストリーチャンネルが"古代宇宙飛行士説"をテーマにした番組を制作した際に、出演していたのがスイスの実業家エーリッヒ・フォン・デニケンでした。デニケンといえば、宇宙古代史ブームを巻き起こした第一人者。『聖書やインドの聖典に出てくる神は宇宙人ではないか』という説を唱えたことで有名ですが、アカデミズムからは激しく批判された人でもあります。
特に考古学の世界は保守的ですから、デニケンの主張を受け入れる余地はほとんどなかったわけです。おそらくジョルジョも、その状況が悔しかったのでしょう。そこで"古代宇宙飛行士説を、真剣に取り上げる番組"を作ろうと、ヒストリーチャンネルに企画を持ち込み、単発番組として『古代の宇宙人』が誕生しました。これが放送されるやいなや、ヒストリーチャンネルの中でも群を抜く視聴数字を獲得し、一気にレギュラー化が決まったんです」

――「古代の宇宙人」の魅力は、どんな点にあるとお考えですか?
「とにかく毎回、内容が濃いんですよ。45分という尺なのに、体感としてはもっと長いくらい充実しています。ただ、世界中の古代遺跡といっても数には限りがありますし、番組の軸は"古代宇宙飛行士説"で一貫している。毎回その素材をどう料理するのか、制作側の苦労は相当だと思います。実際、『ネタが尽きる』という悩みは『ムー』も抱えていますからね(笑)。それでも15年以上ネタ切れせずに続いているのは、本当にすごいこと。番組全体の安定感は抜群で、"安心して見られる"という点では、まるで『水戸黄門』のような存在でもあります。それでいて、ちゃんと新しい情報を取り入れてくる。
例えば2021年にアメリカ政府がUFOの存在を認めた時も、すぐに当時の情報を番組に反映していました。さらに近年は出演者の顔ぶれも豪華になってきました。大物理論物理学者である日系アメリカ人のミチオ・カクが登場したのには驚きましたが、番組の認知度が上がり、信頼性が増している証拠でもあります。ほかにも、スフィンクスの"水浸食仮説"で有名な地球物理学者ロバート・ショックなども出演しています。彼のような科学者が語ると、保守的な考古学者たちも反論しづらい。結果として、"古代宇宙飛行士説"を支持する層が勢いづく一因にもなっていますね。」

――シーズン15の見どころについても教えてください。
「シーズン15では、ベスト10シリーズの特集が多く組まれています。例えば『宇宙人の飛行物体ベスト10』や『ピラミッド遺跡ベスト10』、ほかにも『謎の装置ベスト10』『謎の島ベスト10』など、長寿シリーズならではの豊富なアーカイブを生かした企画が目立ちます。長年積み上げてきた膨大な映像や取材資産があるからこそできる、非常に見応えのある内容ですね。個人的に興味深かったのは、クロップ・サークル(ミステリー・サークル)を扱った回です。あれを作っている人たちがいることを認めた上で、彼らの神秘体験にスポットを当てるとか、『その方向性があったか!』と思いましたね
あとは、"眠れる預言者"として紹介されたエドガー・ケーシーの回も印象的でした。彼は20世紀前半に活躍したアメリカの著名な霊能者で、催眠状態で行うリーディング(透視)を行ったことで知られる人ですが、アトランティスなど古代文明についても多く言及しています。ケーシーは『宇宙の図書館』とも呼ばれる"アカシックレコード"(※2)にアクセスして、地球の歴史や未来の情報を読み取ったとされます。この"アカシックレコード"という概念は、実は仏教用語の『アーカーシャ(虚空)』が由来で、日本人にもなじみが深いものだと思います」

――直近のUFO関連の話題について、三上さんが興味をもっていることは?
「2025年9月には、アメリカ議会でUAP(未確認異常現象)の透明性に関する公聴会が開かれました。現役軍人を含む3名が、自ら目撃したUFOについて証言したほか、新たな映像も公開されました。特に、イエメン沖で飛行物体がミサイル攻撃を受けて破壊される様子を捉えた映像は、大きなインパクトがありましたね。アメリカでは、安全保障の観点から、当局が保有する情報の透明性を求める動きが加速し、『宇宙軍』の設立も進められています。
それに連動する形で、日本でも2020年に航空自衛隊内に『宇宙作戦隊』が創設され、2022年には『宇宙作戦群』へと拡大。今年度には『宇宙作戦団』に発展し、航空自衛隊そのものも近く『航空宇宙自衛隊』へ改編される見通しです。アメリカでは国防総省のAARO(全領域異常解決局)がUFO情報を一元管理していますが、日本でも日本版AAROの創設をUFO議連が求めるなど、動きがますます活発化しています。古代遺跡に関する分野でも、エジプトの三大ピラミッドの地下に巨大構造物が存在するらしいという話題で盛り上がっており、こちらも目が離せません」

――最後に、今後の「古代の宇宙人」に期待することはありますか?
「やはり、日本の縄文遺跡をもっと取り上げてもらいたいですね。以前、青森・亀ヶ岡遺跡の遮光器土偶の精巧なレプリカをジョルジョに贈ったところ、彼がとても喜んでくれました。日本の遺跡にも強い関心を持っているようですし、『どこでも案内するから、ぜひまた日本に来てくれ』とは伝えています。近年はUFO関連の話題が盛り上がりを見せていますし、『古代の宇宙人』も活気づいていきそうなので、これからも楽しみにしています」
取材・文/渡辺敏樹 撮影/中川容邦
※1 古代宇宙飛行士説
太古の昔に宇宙人が地球に来訪し、人類に知識を与えたり、文明の創造に関与したりしたという仮説で、「宇宙考古学」とも呼ばれる。ピラミッドなどの古代遺跡の謎、神話の中の記述を「宇宙人の技術の証拠」として解釈する。
※2 アカシックレコード
宇宙の誕生から現在までの出来事、思考、感情が記録されているとされる「宇宙のデータベース」のような概念。西洋オカルトや神智学、スピリチュアルな分野で語られ、個人の過去世の記憶や未来の可能性にアクセスし、人生を豊かにする情報源とされる。
【プロフィール】
三上丈晴
1968年生まれ、青森県出身。筑波大学自然学類卒業。1991年、学習研究社に入社し『歴史群像』編集部を経て『ムー』編集部へ。2005年、5代目編集長に就任。2021年6月より、福島市の「国際未確認飛行物体研究所」所長に就任。エンタメ〜テレ「超ムーの世界R」などメディア出演多数。イベントへの出演、コラム執筆なども精力的にこなす。














