THE『キン肉マン』芸人・よゐこ濱口優「キン肉マンから教えられることは、めちゃめちゃたくさんありますね」
エンタメ インタビュー
2025.10.20
1979年に週刊少年ジャンプ誌で連載開始、キンケシ(キン肉マン消しゴム)ブームやアニメ放映で当時の小学生たちに絶大なインパクトを残し、40数年を経た今もなお根強い人気を誇る『キン肉マン』。そんなキン肉マンを徹底的に語りつくし、遊びつくすのが、フジテレビONEで放送中の『キン肉マン専門番組 キン肉マサル』。この番組のMCであり、自他共に認める"THE『キン肉マン』芸人"のよゐこ・濱口優に、愛する『キン肉マン』の魅力について語ってもらった。
──そもそも、なぜ今、『キン肉マン』専門番組なんですか?
「最初は、CS放送で僕の番組をやりたいってお話をいただきまして、スタッフさんがいくつか企画を考えてくれていた中に『キン肉マン専門番組 キン肉マサル』というタイトルがあって。そこからはもう、それしか目に入らなくなって(笑)。『キン肉マサルって、面白いっすね』って」
──キン肉マンの本名の「キン肉スグル」と濱口さんの「マサル」を掛け合わせた絶妙なタイトルで。
「だから、『もう、これでいいじゃないですか。こんな番組をやらせてもらえたら、すげえ楽しそうだし』みたいな感じで始まりましたね」
──濱口さんは、世代的には『キン肉マン』はドンピシャ世代ですよね?
「ドンピシャですね。出会ったのは、小学4年生ぐらいかな。初めて『週刊少年ジャンプ』を手にしたときに、パラパラッとめくって見たら、ちょうど『キン肉マン』の、ウルフマンがスプリングマンにバラバラにされるシーンがパッと目に入って、衝撃を受けて。それで一発で撃ち抜かれてもうて、そこからジャンプとキン肉マンに夢中になっていきましたね」
──そんな時代から40年以上を経て、まさか『キン肉マン』で遊ぶだけの、こんな番組が生まれるとは。
「『キン肉マン』は芸人にもファンが多いんですよ。だから、いつもみんなで『キン肉マン』の話をしてたんですけど。この番組では、そういう『キン肉マン』の濃い話、知らん人にはまったく伝わらないネタだけをしゃべっていいと言われたので、それならいけるかなって」
──番組がスタートしてからすでに1年が経とうとしています。
「もう1年経つんですか? 早っ!(原作者・ゆでたまごの)嶋田先生(原作担当)にも中井先生(作画担当)にもお会いして、許可もいただいて、やりたい放題やってきましたね(笑)。番組の企画でザ・クロマニヨンズの(甲本)ヒロトさんにまでお会いできましたし」
──作画担当の中井先生は、濱口さんとキン肉マンのツーショットのイラストまで描いてくださったそうで。
「すごいことですよね。最初は僕のイラストだけをお願いしたんですけど、『隣にキン肉マンも描いたほうがいいですか?』って横に並べてくれて。ありがたいですよ。めちゃくちゃ役得ですよ(笑)」
──番組を1年間やってみて、特に印象に残っている回はありますか?
「毎回が神回になってるんですよ。それは嶋田先生もXに書いてくれてたんですけど。編集しているスタッフさんも、『もう、カットするところがないっすわ』って言うてたし。『いけましたね、ジェロニモの話だけで、1時間』とかって(笑)」
──かなり無茶苦茶な企画にもチャレンジしてますよね。
「この番組は、僕が3時間ぶっ通しでキンケシで遊んでるだけの映像を、前後編で流しちゃうんですよ(笑)。あれはなかなかシビれました。まさにキン肉マン専門番組ならではですよね」
──濱口さんと、共演のなすなかにしの中西さんが、ラーメンマンとカレクックのマスクを被って街ブラのロケをする企画も面白かったです。
「二人とも、タレントの命ともいえる顔を隠して、不審者となって商店街ロケをするというね。ロケのエキスパートであるはず中西も、自分のスキルのすべてを封印して、カレクックとしてロケしてましたから(笑)」
──それだけネタに事欠かないキン肉マンですが、改めて濱口さんが感じる『キン肉マン』の魅力とは?
「いまだに現役で連載も続いてるんですけど、いつでも漫画の『キン肉マン』を読むと子どもの心に戻れるというか、出会ったときのインパクトを毎回感じさせてくれるんですよ。あと、キン肉マンは『奇跡の逆転ファイター』とか『絶対に諦めない』って言われますけど、自分が大人になったからこそ、そこにグッとくるときがありますね。『友情パワー』とかも、俺もやっぱり仲間に助けられてるんやなぁとか、50歳を超えると、なおさら感じるので(笑)。『キン肉マン』から教えられることは、めちゃめちゃたくさんありますね」
──今後、番組として目指すところは?
「やっぱり、『この番組で『キン肉マン』を知ってファンになりました』っていう人が出てきてくれたらうれしいですよね。そのときは、ゆでたまご先生に速攻で伝えに行きますから(笑)。でも実際、今の小学生とか女性のファンも最近は増えてきてるみたいなので。そういう人たちに刺さるようなキン肉マンの魅力を、これからも伝えていけたらいいですね」
文/八木賢太郎 撮影/菊竹規 (C)ゆでたまご