鈴井貴之、大泉洋、安田顕らの素顔と才能を「ドラバラ鈴井の巣」など北海道発バラエティで垣間見る!
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2024.12.17
NHK紅白歌合戦の司会や話題となった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼朝を演じるなど、今や日本中で知られる存在となった"北海道の星"大泉洋。同じく北海道出身で、話題の映画『35年目のラブレター』への出演を控えるなど、実力派俳優として高い評価を得ている安田顕。そんな彼らが所属する劇団「TEAM NACS」を結成当初から支え、俳優のみならず企画や構成の分野でも才能を発揮し、さらに、大泉と共に出演した北海道発のバラエティ番組「水曜どうでしょう」をカルト的人気番組へと押し上げた、"ミスター"こと鬼才・鈴井貴之。そんな北海道を代表するヒットメーカーたちが華麗なる共演を果たした、伝説のドラマ・バラエティ番組が「ドラバラ鈴井の巣」だ。
"ドラバラ"で見せた役者とクリエイターの顔
2002年から2004年まで北海道で放送された「ドラバラ鈴井の巣」は、"ドラバラ"の名が示す通り、鈴井を中心とした出演者が企画・脚本を手がけたドラマを放送する「ドラSide」と、ドラマ本編やオープニング曲制作などの舞台裏を追う「バラSide」で構成。打ち合わせやメイキングの様子を映し出すことで、若き日の鈴井、大泉、安田、そしてゲスト出演する「TEAM NACS」のメンバーたちの飾らない素顔や人柄を存分に楽しむことができる。番組からは鈴井が企画・脚本を手がけた「雅楽戦隊ホワイトストーンズ」シリーズ、安田が企画・脚本を担当した「マッスルボディは傷つかない」、大泉本人とその家族の半自伝的ストーリーとして知られる「山田家の人々」といった秀作が次々と誕生。全国的なブレーク前の彼らが、北海道での人気を不動のものにした勢いそのままに、失うものなど何もない若さと情熱で挑む姿が見どころ。ドッキリ要素も盛り込まれ、戸惑う大泉らの初々しいリアクションも見逃せない。
地元密着型バラエティが全国区の人気番組に
また、鈴井と大泉を語る上で欠かせない番組が、1996年に放送開始された伝説的バラエティ「水曜どうでしょう」だ。2人が繰り広げる過酷すぎる旅に密着し、名物企画「サイコロの旅」では、出た目に従って次の行き先が決まる過酷なルールの下、本音むき出しのやりとりや、後先を考えない体当たりのロケが展開。さらに、「低予算」「低姿勢」「低カロリー」という「3低」をモットーにしたDIY精神が随所で光り、その独自のスタイルが話題を呼んだ。北海道テレビ制作ながら、ついには全国47都道府県全てで放送されるという快挙を達成。言うまでもなく、大泉らを全国区のスターへと押し上げた看板番組だ。
自然体で行く北海道発の"フードエンタメ"
さらに、2003年に放送を開始し、現在も続く北海道テレビ制作のバラエティ番組「おにぎりあたためますか」も見逃せない。大泉、戸次重幸、そして北海道を拠点に活動するお笑いコンビ・オクラホマがさまざまな企画に挑戦するこの番組は、今や北海道を飛び出して全国各地でロケを敢行。「新感覚フードエンターテインメント番組」として、多くのファンを魅了し続けている。大泉と戸次が、故郷・北海道への愛情をにじませながら、肩の力を抜いて進行する緩やかな雰囲気がこの番組の魅力。全国ネットの番組では見られない、2人の素顔が垣間見える点も人気の理由だ。そのほほ笑ましい掛け合いや自然体のトークで、視聴者に親しみやすさと心地よさを届けている。
今回紹介したバラエティ番組を通じて、北海道が生んだ異才たちの役者としての実力だけでなく、彼らがいかにして全国区の人気を勝ち取ったのか、その魅力の核心に触れることができる。大泉らが歩んできた波乱に満ちた青春の日々と、栄光の軌跡をたどるアーカイブとしても非常に興味深い。
文/松岡良和