チェン・シャオ(陳曉)の頭脳戦に震える!中国サスペンスドラマおすすめ5選
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2026.05.12
ドキドキとした緊張感に包まれるサスペンスは、中国ドラマでも高い人気を誇るジャンルだ。その魅力は、一口にサスペンスといっても実に多彩なバリエーションにある。武侠の世界観を生かした重厚な物語から、ファンタジー、個性豊かな天才たちが活躍する痛快作、さらにはリアリティーあふれる現代劇まで――予測不能の展開とともに、さまざまな面白さが味わえる5作品を紹介する。
■ユン・シャン伝 ~江湖 復讐の嵐~

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国家の支配から離れ、侠客や武芸者たちが独自の掟で生きる世界・江湖(こうこ)を舞台にした武侠ドラマといえば、武術に秀でた者たちの激しい戦いが定番だ。しかし、チェン・シャオ(陳曉)が本作で演じる主人公・雲襄(ユン・シャン)は、そのイメージを軽やかに裏切る存在。武術がまったくできず、高所に飛び乗ることすらままならない。マオ・シャオトン(毛曉彤)演じる、出会ったばかりの女侠客・舒亜男(シュー・ヤーナン)に手を引かれて助けられる姿には、思わず頬が緩む愛嬌(あいきょう)がある。

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だが、雲襄の真価は別のところにある。十呼吸の間だけ神速で動ける独自の技と、群を抜く頭脳こそが彼の最大の武器。5年前に一族が惨殺された事件の真相を追う中で、舒亜男をはじめ、わずか10両で仕事を請け負う強面の剣客、侠客に憧れる富商の嫡男といった個性的な仲間たちと出会う。彼らの力を借りながら、次々と迫る刺客や陰謀に対し、知略を駆使して立ち向かっていく展開が痛快だ。時には詐術すら厭わない――そんな"頭脳派ヒーロー"が江湖に新風を吹き込む本作。王道の武侠アクションとは一味違う、策略と駆け引きがさえわたるサスペンスとして楽しめる。
■ホームシック 戻ってきた娘

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中国の大手動画配信プラットフォーム・iQIYIが手がける、良質なサスペンスで知られるシリーズ「迷霧劇場」の一作。主人公は、チャン・ズーフォン(張子楓)演じる陳佑希(チェン・ヨウシー)。1997年、児童養護施設で暮らす彼女は、親友・秀(シウ)の行方を追って施設を抜け出す。秀は使用人として働いていた李家で「この家族の秘密を知った」という手紙を最後に姿を消していた。現在の李家は、両親と知的障がいのある息子の3人家族。しかし実は、幼い頃に失踪した娘の存在があった――。陳佑希は、その娘になりすまして屋敷に入り込むという危うい選択をする。

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息子が今も秀を忘れられずにいること、母が「秀のことは二度と経験したくない」と意味深に語ること、そして町の人々が突然消えた彼女の不審さを口にすること――それらの断片が、不穏な空気をじわじわと醸成していく。そうした違和感の積み重ねが、"なりすまし"という危うい選択の正当性を揺るがす。第1話から張り巡らされた緊張感は、物語が進むにつれて一層濃度を増し、見る者を逃さない。隠された真実に近づくほど、静かに、しかし確実に忍び寄る闇。その先に待ち受ける"秘密"が、背筋をぞくりとさせる。
■妖(あやかし)の傘、霧雨の恋

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今でいう最高裁判所のような司法機関・大理寺を舞台に、役人と妖魔ハンターの娘の活躍を描くファンタジーサスペンス。主人公・南鳳意(ナン・フォンイー)を演じるのは、「永遠の桃花~三生三世~」や「新・白蛇伝~千年一度の恋~」で人気を博し、2025年9月に亡くなったユー・モンロン(アラン・ユー/于朦朧)。ヒロイン・夢西洲(モン・シージョウ)は、中国版プロデュース101で注目を集め、その後「唐王朝の幸せレシピ」や「オレ様陛下と溺愛未満」などに出演してきたリー・ズーシュエン(李子璇)が演じる。

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南鳳意は、ある事件をきっかけに出会った夢西洲と師弟関係を結び、妖怪退治に挑むことになる。夢西洲は高名な妖魔ハンターの娘でありながら自身の力に自信を持てず、ハンターになる夢を胸の奥に押し込めて生きてきた人物だ。共に数々の事件を追う中で、やがて二人の間には特別な感情が芽生えていくが、その愛こそが夢西洲の"真の姿"を引き出していく――。妖を巡る怪異事件のスリリングな展開に、切なさを帯びたロマンスが絡み合う本作。愛する人を救うため、南鳳意が下す"究極の選択"と命懸けの戦いは、見る者の心を強く揺さぶる。ファンタジーとサスペンス、そして恋愛が高密度に融合した一作だ。
■天地に問う~Under the Microscope~

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「慶余年~麒麟児、現る~」のチャン・ルオユン(張若昀)が本作で演じるのは、"算術バカ"と呼ばれる風変わりな天才・帥家黙(シュアイ・ジアモー)。数字に対して異常なまでの執着を持ち、計算の誤りを見つけると見過ごせない性格の持ち主だ。ある日、官府の帳簿に不審な計算ミスを発見。そこから浮かび上がるのは、8県のうち1つだけが「絹糸税」を100年以上にわたって負担し続けているという衝撃の事実だった。"数字はうそをつかない"という信念の下、帥家黙は親友と共に、得意の算術を武器に不正の解明へと挑む。やがてその調査は、自身の両親の死の真相へとつながっていく――。

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原作は、「長安二十四時」や「風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~」で知られる中国屈指の歴史小説家、マー・ボーヨン(馬伯庸)。自ら脚本も手がけ、"数字"という一見地味な題材を起点に、権力構造のひずみや人間の欲望をあぶり出す重層的な物語を構築。一つの計算ミスが連鎖的に新たな謎を呼び、やがて大きな陰謀へとつながっていく展開は圧巻だ。数字に取りつかれたかのように真実へ迫る、異色の主人公も大きな魅力。複雑に絡み合った事件が一つひとつ解きほぐされ、真実にたどり着く快感を味わえる、骨太なサスペンスに仕上がっている。
■唐朝詭事録<とうちょうきじろく>-The Mystery of Kingdom-

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バディーものである本作の醍醐味(だいごみ)は、相性最悪だった二人が、数々の難事件を通じて唯一無二の相棒へと変わっていく過程にある。舞台は唐の時代、繁栄を極める都・長安。華やかな街の裏で、不可解かつ不気味な事件が相次いで発生する。その捜査にあたるのが、武芸と知略を兼ね備えた都の治安を担う若手武官・盧凌風(ろりょうふう)と、捜査や行政を担う新任の文官・蘇無名(そむめい)。正義感が強く直情的な盧凌風と、ひょうひょうとしてつかみどころのない蘇無名――正反対の気質を持つ二人は衝突を繰り返しながらも、事件を追う中で次第に信頼を築いていく。

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盧凌風が当初、蘇無名に反発するのには理由がある。自らが門をたたきながらも認められなかった名臣・狄仁傑(てきじんけつ)の弟子であることに加え、蘇無名がその資質を評価されていることへの複雑な感情があったのだ。史実でも名高い狄仁傑の名を背景に、二人の関係性にはプライドや嫉妬が色濃く絡み合う。一方で蘇無名は、卓越した観察眼と推理力を持ちながらも、どこか食えない一面を併せ持つクセ者。ぶつかり合うのも必然といえるだろう。そんな凸凹コンビを演じるのは、ヤン・シューウェン(楊旭文)とヤン・チーガン(楊志剛)。緊張感あふれる事件の数々を軸に、軽妙な掛け合いと確かな演技で見る者を物語に引き込む。
文/神野栄子




