キム・ジェウォンの快進撃が止まらない!ドラマ「スティーラー ~七つの朝鮮通宝~」から「ユミの細胞たち3」で主役を射止めるまで
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2026.05.03
2026年の韓国ドラマ界において、最も目が離せない俳優の一人がキム・ジェウォンだ。ソン・ジュンギやパク・ソジュン、パク・ボゴムといったトップスターを輩出してきた「スターの登竜門」として知られる音楽番組「ミュージックバンク」の新MCに2月から抜擢(ばってき)された。さらに4月13日(月)よりディズニープラスで配信されている「『ユミの細胞たち』シーズン3」では、キム・ゴウンの相手役を務める。「『ユミの細胞たち』シーズン1」では「梨泰院クラス」で注目されたアン・ボヒョンがその人気を不動のものにしたが、キム・ジェウォンにとっても本作が大きなブレーク作となるのは間違いない。
■柔らかなまなざしと圧倒的な振り幅。モデルから俳優へ駆け上がる25歳の軌跡
キム・ジェウォンの魅力は一言では語れない。柔らかなまなざしと穏やかな空気感をまといながら、作品によっては驚くほど大胆に印象を塗り替えてくる。その「振り幅」こそが、今、彼にひかれる最大の理由なのだろう。
2001年生まれの25歳。2018年にモデルとしてデビューし、2021年から俳優活動をスタートさせた。彼が最初に注目を集めたのは、イ・ビョンホン、シン・ミナ、チャ・スンウォンらトップ俳優が集結した群像劇「私たちのブルース」(2022年)だ。チャ・スンウォンの少年期を演じ、透明感のある静かなたたずまいの中に人物の内面をにじませる演技は、新人離れした安定感を見せて話題となった。
その後、ジュノ(2PM)とユナ(少女時代)が共演したラブコメディ「キング・ザ・ランド」では、客室乗務員のイ・ロウン役として存在感を示した。王子様タイプではないが、最後に「いちばん一緒にいて疲れないのはこの人かもしれない」と思わせる頼れる年下男子としての姿は、"癒やし系"キム・ジェウォンの魅力が最もよく現れている作品だ。一方で、ミステリースリラー「サラ・キムという女」ではホスト上がりの百貨店会長秘書役を演じ、好青年では終わらない演技の奥行きを見せた。作品ごとに少しずつ輪郭を変えながらも、「どの役にも染まりすぎない自分の色」を保っている点が興味深い。

キム・ジェウォン
(C) STUDIO DRAGON CORPORATION
■キャリアの転換点「スティーラー ~七つの朝鮮通宝~」。188センチの体躯が放つダイナミックなアクション
そんな彼のキャリアの中で、転換点となった作品といえるのがコメディ・スパイアクションドラマ「スティーラー ~七つの朝鮮通宝~」だろう。
チュウォン演じる主人公は、昼は文化財庁の事務官ファン・デミョン、夜は怪盗スカンクという二つの顔を持つ男。権力者たちが隠し持つ数々の文化財を取り戻すため、文化財庁の事務官ファン・デミョンとソウル地方警察庁の文化財専門担当チーム、そして謎の怪盗・スカンクが手を組み、非公式かつ非合法な回収チーム「チーム・カルマ」を結成する物語だ。
キム・ジェウォンが演じたシン・チャンフンは、「チーム・カルマ」のメンバーとなる元熱血刑事だ。正義感が強く、考えるより先に体が動く行動派。188センチというキム・ジェウォンの恵まれた体格から繰り出されるアクションシーンは画面にダイナミズムを生み、これまで「静かな好青年」役が多かった彼が「こんな一面も持っていたのか」と印象を書き換える役となった。
■チュウォンとの絶妙なバディ感。完成されない「余白」が生む次なる期待

チュウォン
(C) STUDIO DRAGON CORPORATION
本作でもう一つの大きな見どころとなったのが、主演のチュウォンとキム・ジェウォンのケミストリーだ。荒っぽさもある一方で、どこか素直で人懐っこい性格のチャンフンは、デミョンに振り回されながらも、なぜか忠実についていってしまう。そのバディ感が絶妙で、スリリングな文化財奪還劇の中でこの2人が交わすテンポのいい掛け合いは、コメディとしての作品の呼吸をやわらかくしている。
癒やし系にもなれるし、汚れ役もこなす。コメディもアクションも成立させ、さらにバラエティ番組の進行までもこなすキム・ジェウォン。だがどれにも固定されず、作品ごとに少しずつ新しい表情を見せる俳優としての「余白」が大きいからこそ、見る側は次の一作に期待してしまうのだろう。
そんな彼の最大の魅力は、まだ完成されきっていないところかもしれない。2026年の彼は、明らかにネクストレベルへ進もうとしている。その変化の途中に立ち会えること。それこそが、今、キム・ジェウォンにひかれる最大の理由なのだろう。
文/坂本ゆかり




