元宝塚トップスター・真琴つばさが語る出演作「うたかたの恋」への思い

元宝塚トップスター・真琴つばさが語る出演作「うたかたの恋」への思い

「J:COM STREAM」では、「宝塚歌劇」作品が見放題(月額料金内で視聴可能)で配信中。『ベルサイユのばら2001』-オスカルとアンドレ編-('01年星組・東京)や『Shall weダンス?』('14年雪組・東京・千秋楽)、『CITY HUNTER』('21年雪組・東京・千秋楽)など現在7作品が期間限定(※作品によって期間は異なる)で、いつでも何度でも視聴することができる。

今回、9月10日(水)より配信される『うたかたの恋』('99年月組・全国)で、トップスターとしてステージを彩った真琴つばさにインタビューを行い、当時の思い出や宝塚を楽しむポイントなどについて語ってもらった。

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――J:COM STREAMでの「宝塚歌劇」作品の見放題配信についてどう思われますか?

「本当にうれしいことですよね。見放題だから"ながら見"もできますから、見るだけの回、一緒に歌いながら、踊りながらの回もできますしね(笑)。記憶って、劇場で観劇してくださった生の状態が一番ではあると思うんですけど、どうしても薄れていく箇所がありますよね。そういったところを補完して記憶のアップデートもしてくれるわけですから、映像で再び見られるというのは本当にすばらしいことだと思います。それに、見たことのない作品も、好きな時間に何度でも見られるという見放題は、とても便利で魅力的ですよね。

前に、自分の稽古をしながら雪組さんの公演を配信で見たんです。"ながら見"だったんですけど、バタバタしながらもふと懐かしい曲が流れてくると、途端に懐かしさで胸がいっぱいになって、宝塚ファンだった高校生の頃に戻っていることに気付いて、『配信って、人の心をこんなにもタイムスリップさせてくれる、なんて素晴らしいものなんだろう』って感激したんです。映像が過去の自分をより強く連れてきてくれた気がしました」

――作品を映像で見ることの魅力はどのようなところにありますか?

「特等席で見られるということですよね。劇場とは違って一番見やすいいい位置で見られるということに加えて、映像としての演出を介して、より作品に没入できますから。視聴者の方の気持ちに寄り添いながらズームアップや引きの画を駆使して、より作品を引き立てている。劇場とは違って演出家チームのセンスも堪能できる特等席です。

あとは、細かいところまで見られるところがいいですよね。劇場だとオペラグラスを使わなければ見られないところもしっかり見られますし、そういう細かいところがより記憶を鮮明にしてくれます」

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――今回のラインナップでは、真琴さんがご出演されていた1999年の作品から、2022年の作品まで、年代的にも幅広い作品がそろっています。

「個人的な感想なのですが、時代に合わせてお芝居も進化していて、私の時と比べて今はよりナチュラルなお芝居に変化しているところもある気がします。宝塚らしい素晴らしい部分はしっかり継承していきながらも、時代に合わせて常に進化しているので、見放題というこの機会に"お芝居の変化"にも注目して見ていただいたら、また違った楽しみ方ができると思います」

――見放題ということで、これまで宝塚に触れて来なかった方も多くご覧になると思いますが、現在配信中のラインナップで宝塚初心者にお薦めの作品は?

「『ベルサイユのばら―』は主人公のオスカルが男装の麗人で、とても宝塚にフィットしているので世界観に入りやすいかもしれませんね。"宝塚"を知りたい方にはお薦めの作品だと思います。あと、宝塚って、歴史や国語の勉強にもなるんですよ。というのも、私は学生時代全然勉強ができなかったんですけど、宝塚の『源氏物語』を見てすごく勉強になったんです。『源氏物語』って登場人物が多くて相関図を把握するのが大変なんですけど、作品として見ると演者の顔と一緒に覚えられるからすんなり理解できて、私テストで100点取ったことがあったんです。だから、国語や歴史の勉強をしたい方は『新源氏物語』がいいかもしれません(笑)。

そしてもう一作、宝塚の世界に浸かった状態でぜひ見ていただきたいのが『うたかたの恋』です。大劇場作品ではありませんが、名作でもあるし(新たな相手役として檀れいが参加した作品でもあるため)初めて組んだ2人の初々しさみたいなところも見どころだったりするので、より楽しめるんじゃないかなと思います」

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――宝塚作品のどんなところに注目してほしいですか?

「ぜひ注目していただきたいのは、音楽ですね。前奏と後奏がとても華やかなものが多く、80人近くで作り出す人のパワーを音で表現する"音の作り"にも集中して見ていただけたらうれしいです。

そして、チームプレーを感じていただきたいですね。主演がよく見えるのは、他の皆さんと一緒にやっているから。ライトに当たっていない人たちも一生懸命やっているから。映像は、そんな所もよく見えると思うので、じっくり見ていただく回も増やしていただけたら。

それと"おこぼれライト"っていうのがあって、スポットライトを浴びている人の近くにいると、そのライトの中にちょっと入れたりするんです。それがうれしい時もあって、そんな心の動きを見つけるのも楽しいかもしれません」

――ご出演されていた『うたかたの恋』への思いを教えて下さい。

「私が宝塚に入って初めて見た作品が『うたかたの恋』だったんです。麻実れいさんに憧れていたのですが、初めて"ファンモード"ではなく"舞台人モード"で見た作品でした。当時は『私、ファンとしてでなく、仕事として見てる!』と思った作品を、十何年後に自分がやるなんて思いもしなかったという。そんな特別な思い入れのある作品ですし、今でも『この作品ができて本当に良かった』と思っています。しかも、軍服とドレスなんて"ザ・宝塚"というような定番の取り合わせですし、ぜひ見ていただきたいですね」

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――『うたかたの恋』にまつわるエピソードを教えてください。

「本当に(この取材が)タイムリーでびっくりしたんですけど、実は先日芸能生活40周年のコンサートをした際に、檀れいさんにスペシャルゲストで来ていただいて『うたかたの恋』を歌ったんですよ。

その公演に備えて、自分の『うたかたの恋』の映像を見たんです。大前提として、私は自分の出演作を見るのが耐えられなくて、今までノーカットで見たことがなかったんですけど、今回見てしまいました!本当に面白い作品!よくできてる。主人公だけでなく、周りの登場人物たちの葛藤も繊細に描かれていて。

あと、まぁ~、檀れいさんかわいい!私、カッコいい!(笑) 檀れいさんが初めて相手役になった公演だったので、マリーにすごく重なるところがあって。道ならぬ恋を描いているのですが、檀さんの存在にとても支えられました」

――相手役としての檀れいさんの印象は?

「まぶしかった。輝いていました。初めて稽古場に来た時、黄色いレオタードに黄色のスカートだったんです。そして、目がらんらんで(笑)。彼女、寝てなかったらしいんですけど本当に輝いていて...。そして、健気でした。私に『そろそろしっかりしなきゃ』って思うきっかけをくれた、"私を強くしてくれた存在"です」

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――退団されて24年。今振り返って、宝塚時代はどんな時代でしたか?

「私の礎を作ってくれた時代ですね。舞台人としてのスキルもそうですけど、周りの人との絆においても。あの大変で濃密な時間と共に過ごした仲間との関係っていうのは、久しぶりに再会しても全然変わらないんですよね。まさに"糸"を縦と横に半分ずつ織り上げた、『絆』だなってしみじみ感じます。当時はもっともっと余裕を持ちたかったんですけど、本当にみんなに引っ張ってもらったなと。自分ができなければできないほど、みんなのありがたみが分かるんですよね」

――最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

「8月の末、今年の夏は本当に暑かったですけど、夏の締めくくりは宝塚見放題で、宝塚三昧で過ごしてほしいです(笑)。朝と昼と夜、見る時間によって感じる印象が違うと思うので、一日中見ていただいて!そして、私の大好きな作品『うたかたの恋』も、ぜひご覧いただけたらうれしいです」

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文/原田健 撮影/中川容邦
スタイリスト/山下由(コンテンポラリー・コーポレーション)
〇プルオーバー/慈雨/マツオインターナショナル カスタマーサービス(0120-29-1951)
〇パンツ/カナコ/株式会社カナコーン(03-6413-8175)
〇ピアス・バングル(太)/ワンエーアールバイウノアエレ
〇ネックレス・バングル(細)・リング/ウノアエレシルバーコレクション/(5点ともに)ウノアエレ ジャパン(0120-009-488)

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