想像以上のパワーアップを果たした「罵倒村」で、感情の起伏を堪能せよ

想像以上のパワーアップを果たした「罵倒村」で、感情の起伏を堪能せよ

Netflixコメディ「罵倒村」が、5月13日(火)より独占配信開始となる。

同作品は、プロデューサーの佐久間宣行が手掛けるYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」の人気企画「罵倒村~もしも日本に住民全員が罵倒してくる村があったら~」をパワーアップさせたもので、"住民全員が罵倒してくる"という架空の村に連れて来られた芸人たちが、「怒ってしまったら即脱落」というルールの下、降り掛かる罵倒に耐えながら村を救うために奮闘していく。

Netflixで配信されている「トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~」のスピンオフ企画のロケだと聞かされて連れて来られたのは、アンジャッシュ・渡部建、シソンヌ・長谷川忍、ニューヨーク・屋敷裕政、ダイアン・津田篤宏、きしたかの・高野正成、錦鯉・渡辺隆、ぱーてぃーちゃん・すがちゃん最高No.1の7人。ロケバスから降車後、ロケをスタートしようとすると、どこからか村人たちがやってきて7人を罵倒し始める。「お前らも何かやらかしてんだろ」と叫びながらスタッフに連れて行かれる村人に、7人は困惑しきり。気を取り直してロケを再開するも、すぐに「早くこの村から出て行った方がいい」と言う女性と、彼女に首を鎖でつながれたTKO・木本武宏が登場。驚く7人は、女性から「占いの結果」として、イジられたくない内容に抵触した"罵倒"の洗礼を受ける――。

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高いハードルを軽々と超えたパワーアップ度

「あの人気企画がNetflixで!」ということで、発表されるとすぐに話題となった特番であるため、見る側のハードルも高くなっているだろうが、そんなハードルを軽々と超えてくるほどのパワーアップ度合いにまず驚かされる。「―NOBROCK TV」でも、かなり大がかりなロケを敢行した一大企画であったが、Netflixによる大型特番はスケールが段違い。参戦する人数が3人から7人になり、チャプターも増えた上、さまざまなタイプの罵倒方法で芸人たちを苦しめていく。さらに、「怒ったら脱落」というサバイバル要素が加わったことで、より過酷なものに進化。また、仕掛ける側もスペシャルな人物が配されており、見どころが"2倍ではなく、2乗になった"という印象だ。

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MCが番組内での視聴者として、いち早くリアクション

また、MCの東野幸治と森香澄が、7人が罵倒される様子を別場所でモニタリングするのだが、2人のリアクションがいい意味で視聴者の反応を誘導する役割を担っている。かなり攻めた"罵倒"も2人が笑いとばすことでポジティブなエンタメに変えているし、2人が先んじて見せる反応が"作品の見え方"を制作者の意図する方向に誘っていて、見る側も安心して笑うことができる。さらに、7人の表情や意外と見逃しがちな部分はもちろん、仕掛ける側の少々強引で理不尽な展開といった注目ポイントもしっかり拾ってくれるため、よりどっぷりと作品の面白さを堪能できる作りになっている。

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"笑い"だけに止まらない作品の魅力

そんな中で、同番組の醍醐味といえば、"笑い"だけではないところだ。7人はいわゆる"やらかした"者たちであるため、禊的な感じで罵倒に耐えていくのだが、その胸の内にある葛藤や反省、怒りといった感情がにじみ出る瞬間もあり、創作物を超えた人間ドラマがあるし、想像の斜め上をいく豪華な仕掛け人たちに対する純粋な驚き、罵倒に絡めて公開される7人にまつわる暴露エピソードの数々など、いろんなポイントに「喜怒哀楽」のトリガーが散りばめられており、常に感情を揺さぶってくる。

想像以上のパワーアップによる内容を、MCに合わせてリラックスした状態で楽しみつつ、"笑い"だけに止まらない感情の起伏をぜひ楽しんでいただきたい。

文/原田健

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