声優・市ノ瀬加那インタビュー「転生するなら動物になりたい」
アニメ 見放題インタビュー
2025.05.16
代表作は『葬送のフリーレン』フェルン、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタ・マーキュリー、『Dr.STONE』小川杠、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』イチゴなど多数。話題作で人気キャラを演じてきた市ノ瀬加那さんの今クール注目作!
■アニメの世界に入りたくて......
――市ノ瀬さんは、小さな頃から大のアニメ好きだったそうですね?
「はい、当時、実家が契約していたのが『アニマックス』と『キッズステーション』の2チャンネル。24時間アニメが放送しているような環境だったので、もうずっとアニメを観ていました。
その2つのチャンネルを見比べて『今はこっち』『次はこっち』みたいに、チャンネルを交互に観ては、本当にずっとアニメに触れてきたと思います」
――幼い頃に好きだった作品というと?
「『おジャ魔女どれみ』や、初代の『ふたりはプリキュア』は大好きでしたね。とくに『おジャ魔女どれみ』はステッキや"ハナちゃん人形"などのグッズを買ってもらうくらい、ハマってました。
私たちの世代は、けっこう多くの人が通ってきた道なんじゃないかな」
――美少女ヒーロー系をよく観られていたんですか?
「いや、ジャンプとか少年バトル漫画系も好きでよく観ていましたよ!兄の影響で『ドラゴンボール』も初代からZ、GTも全部観ましたし、『銀魂』、あとはもちろん『テニスの王子様』もがっつり好きになりましたし(笑)」
――そうでしたね!その頃から、声優という存在は意識していたんでしょうか?
「いえ、小学校の低学年の頃は声優という職業があることすら知らず、中の人をまったく意識せず、純粋にアニメが好きで観続けていました。
『銀魂』の神楽のセリフをちょこちょこマネしてたりはしましたが、とはいえ、それも声優は関係なく、ただアニメが大好きすぎて『アニメの世界に入りたい』という気持ちでやっていたと思います」
――「アニメの世界に入りたい」と思っていたんですね!
「そうなんです。『どうにかすれば、本当にあの世界に行けるんじゃないか』と信じ込んでいて、小学生ながらにいろいろ考えた末、テレビ画面に頭をぶつけてみるという......(笑)」
――かわいらしいエピソード(笑)。確かに、そんな始まり方のファンタジーありそうですもんね。じゃあ、声優を知ったのは、もう少し後?
「そうですね。ただ、明確に何かがきっかけで『声優を知った』のではなくて、小学校高学年、中学生になるにつれて「声優と呼ばれる人たちがいる」ということに、なんとはなしに気づいていった感じでした。
ただ『アニメの世界に入ってみたい』という気持ちは幼い頃から変わらなかったので、それが少しずつ声優という存在を意識するきっかけになっていったのかなとは思います」
■守られるだけのか弱い少女じゃない|『最強の王様、二度目の人生は何をする?』テシア・エラリス
――現在放送中の『最強の王様、二度目の人生は何をする?』では、ヒロインの一人・テシアを演じられています。まず、市ノ瀬さんが感じる作品の魅力について教えてください。
(C)「最強の王様」製作委員会
「主人公のアーサーは、転生後の人物なのですがそれが前世の王様だった頃の記憶が残っている、『今の知識を持ったまま、生まれ変わったらどうする?』という誰もが憧れるような状態なんですよね(笑)。
だけどその中でアーサーは、ただ『つよくてニューゲーム』をしてるだけじゃなくて、ちゃんと努力して成長していくところが、面白いところだなって思います。
そのアーサーの成長と、チート感のバランスは、ほかの異世界転生ものと比べても、この作品ならではのポイントじゃないでしょうか。
それに、アーサーが世界を旅する中で出会う人々が、一人ひとり個性豊かなのも見どころだと思います。
私が演じるテシアや、あるいはほかのヒロインたちとアーサー。出会いと別れ、すべてが流れゆく中で一緒に過ごせる時間の尊さ、みたいなものも感じてもらえると思うので、ぜひ今後のアーサーの冒険も、お楽しみにしてください!」
――演じられたテシアについては、どんな人物だと感じていますか?
(C)「最強の王様」製作委員会
「幼くて元気いっぱい、思ったことを素直に口にしてしまうエルフの少女で、ややツンデレな部分もあって、アーサーに対しては強がっちゃったりもする。
そういう彼女のかわいらしい部分を感じると同時に、6歳という年齢からは考えられないくらい芯がしっかりしている。ときにはアーサーをかばうほど、自分なりの信念をちゃんと持っているんですよね。
『純粋な子供らしさ』と『守られるだけのか弱い女の子ではない』の両立が、彼女の魅力に繋がっているのかなと思います」
――ありがとうございます! ちなみに、市ノ瀬さんはもし自分が転生するとしたら、どんな人生を送りたいですか?
「私が......ですか!?(笑)なんだろう......最近、寝っ転がったままぶどうを食べるうさぎさんの動画を見たんですけど、そういう、おいしいものがずっと食べられる環境にいる可愛い動物になってみたい、かな」
――まさかの「動物系」でした。動物がお好きなんですね。
「そう、動物好きなんです。人間は、ちょっとやることが多すぎますよね(笑)」
取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃