松井玲奈が選ぶおすすめ『日常系アニメ』3選!陰から見守りたくなる「阿波連さんははかれない」ほか
アニメ 見放題連載コラム
2025.04.24

新生活いかがお過ごしでしょうか? 慣れない環境に戸惑ってしまう時こそ、ほっと一息ついたり、気楽な心持ちで見ることができるアニメがぴったり。今回は忙しい日常を忘れて楽しむことができる「日常系」アニメを3本ご紹介。
■妖怪学校の先生はじめました!
「日常から離れたいのに日常系を紹介ってどういうことやねん!」と思われるかもしれません。ですが、非日常を味わうための日常系なのです。二次元の中の日常はちょっとだけ現実とは違う。だからこそいい。そんな二次元だからこそ味わえる日常を描いた作品が「妖怪学校の先生はじめました!」。タイトルからして日常だけど非日常の香りがぷんぷんします。
主人公・安倍晴明が赴任した学校はなんと妖怪学校! 特別な能力を持つ生徒たちにおびえながらも新米先生が一人前になり、みんなと絆を築いていくドタバタ学園コメディー作品。妖怪学校の日常は私たちが過ごす学校生活と変わらないものだけど、授業も身体測定も何もかもがちょっと違う。その違いを楽しみながらアハハと笑うことができます。
特に驚いたのはプール掃除。その昔、私もやりました。使われていないプールの水は濁り、水面にはアメンボ、水中にはタガメ。お主たち一体どこから来た!とおののきながら、学友たちとデッキブラシでプールの底を磨いていくあの時間。それが妖怪学校にもあるんだなあと思い見ていると、なんとプールからカッパの妖怪が登場! 引きずり込まれそうになりながらも何とか対処する様子はやはり普通の学校生活とは違う。
妖怪と聞くとホラーかなと警戒する方もいるかもしれませんが、コミカルでテンポの良い本作。ぜひ、まずは1話だけでも見てみてください。妖怪がいる日常の面白さに引き寄せられてしまうかも。
■阿波連さんははかれない
お次は「阿波連さんははかれない」。こちらは癒やし系日常アニメ。一本目と同じく学園ものでありながらも、本作はまた違った魅力があります。
隣の席の阿波連さんに声をかけるも、返事をもらえないライドウくん。しかし、阿波連さんが落とした消しゴムをライドウくんが拾ってあげたことで急激に、それはもう急激に距離が近づく二人。もはや距離が近いというより、ライドウくんに懐いてしまっている阿波連さんの一挙手一投足がかわいくてなりません。どうしてそんなに彼女は人との距離を近くしてしまうの? その理由を知ったときに、さらにいとしさのボルテージが上がります。
阿波連さんの声が極端に小さいので、二人は多くを語り合わず互いの空気を読み合う。そんな二人を見守る阿波連さんのことが大好きな大城さん。ライドウくんと大城さんが、阿波連さんの世話を焼いてあげる場面が特にお気に入りです。唇がカサついているからリップを塗ろうとする阿波連さん。しかし、うまく塗ることができず顔面リップまみれに。テカテカのかわいい阿波連さん。見かねたライドウくんが慣れない手つきでリップを塗るも、オーバーリップ過ぎて唇周りがブルンブルンに。しょうがないなと大城さんが塗ってあげて、ようやく唇が潤う阿波連さん。
阿波連さんの行動はいつだって予想外。そんな彼女に翻弄(ほんろう)されながらも、関係に気づいていくライドウくんの姿を、私も大城さんのようにテレビの向こうという陰から見守りたくなる、癒やし系作品です。
■聖☆おにいさん
最後は「聖☆おにいさん」。世紀末を無事に越えたイエス・キリストとブッダが、下界でのバカンスを楽しもうと、立川市の小さなアパートを借りて二人でつつましく生活をする様子を描く本作。そんなもしもの日常があったら面白いなと思いながら、気づけば二人のささやかなバカンスのとりこになっている。
作品の中に散りばめられた宗教的エピソードを元にしたコメディー要素は、思わず笑ってしまうものばかり。私は千葉県にある某遊園地が大好きなので、それを模したであろう遊園地に二人が訪れるパートは、お腹がよじれるくらい笑いました。水に向かって急降下するアトラクションで、身の危険を感じお経を唱え始めるブッダ。いいことを言ってしまったが故にナイトパレードより発光するブッダ。頭のプツプツを被り物と間違えられレジに通されるブッダ。ダメだ......思い出してもお腹が痛い。
本作は劇場版作品なので、一本で完結しているのもいいところ。90分しっかり笑いながら、休暇を楽しむ二人の様子にちょっとセンチメンタルな気持ちにもなれる。新生活、笑いと笑顔が必要な瞬間におすすめのアニメ。ぜひ通勤電車の中で自分のお気に入りのコメディーシーンを思い出してみてください。きっとその日はいい日になるはずです。