オクム大庭冬美ハウィ(埼玉上尾メディックス)、移籍2年目で挑む大同生命SVリーグ 2026-27「速いトスでも自分の打点を生かす打ち方を研究」
スポーツ 生中継見放題インタビュー
2026.10.08
いよいよ2026年10月10日(土)に2026-27 大同生命SV.LEAGUE WOMENが開幕する。今回は、昨季の年間順位が8位だった埼玉上尾メディックスのオクム大庭冬美ハウィに独占インタビューを敢行。移籍1年目の昨季を振り返るとともに、アウトサイドヒッターとしての注目ポイントや新シーズンへの抱負などを語ってもらった。「大同生命SVリーグ 2026-27」は、男女全試合を「J SPORTSオンデマンド」でLIVE配信。
■「人生の中にバレーボールがある」 移籍を経て見つけた新たな向き合い方
――まずは、移籍1年目の昨シーズンを振り返ってください。
「メディックスに来る前のチーム(Astemoリヴァーレ茨城)には、高校を卒業してから8年間在籍していました。初めて自分から環境を変える決断をしましたが、やっぱりそのことに対する不安はとても大きかったです。プレー面ではコンビネーションも含め、前半はなかなか調子が上がり切らない部分がありましたけど、後半にかけて少しずつ呼吸も合ってきて、個人的にはいい状態でシーズンを終えることができました。メディックスに入団して、他のチームのことを知る機会を得ましたし、メディックスらしさに触れられたこともいい経験になったと思います」
――どんなところに"メディックスらしさ"を感じましたか?
「日本人選手にも身長の高いミドルブロッカーが多いなと感じました。レシーブに入っていて、ブロッカーのおかげで助かったという場面もありました。セッター陣を含め、途中から入ってくる選手も全員サーブが上手です。試合の悪い流れをサーブで変えたことが何度もありました」
――チームが変わって刺激を受けたことも多かったですか?
「高校卒業後すぐに社会人チームに入って、ずっとバレーボール中心の生活を送っていたんです。でも、大久保茂和監督から『バレーボールが人生なんじゃなくて、人生の中にバレーボールがあるんだよ』と言っていただいて。バレー人生が終わってからも自分の人生は続いていくから、そのことを大事に考えながらプレーをしてほしいという言葉は、どうしてもバレー中心になり過ぎてしんどくなることがあった私の心に響きました」
――バレーボールに対しての向き合い方も変わってきましたか?
「メディックスは、バレーボールもチームメー卜も愛するということがテーマで、それがみんなに浸透しているんです。だからこそ、心と体を大事にしながらバレーボールと向き合える。メディックスに来てから、オンとオフの切り替えがより上手になりました」

■レセプション強化と、アウトサイドヒッターとしての"理想のアタック"
――10月に開幕する新シーズンに向けて、どんな調整をしていますか?
「昨季のリーグ開幕前と比べたら、格段に体の状態が良いです。今はレセプション(サーブレシーブ)の練習に力を入れています。まだ不安定な部分がありますけど、新シーズンに向けて少しずつ良くなっています。相手のサーブにどれくらい対応できるのか、試合の中で学びながら精度を高めていきたいです。セッターの(岩崎)こよみさんとのコンビネーションもどんどん良くなっていますし、速いトスでも自分の打点を生かす打ち方を研究しています。いいプレーを見せられるよう頑張ります!」
――日々のトレーニングではどんなことを意識していますか?
「もともと肩は強いタイプで、筋肉量も多いですが、そのぶん柔軟性がないとけがにつながりやすいんです。これまで大きなけがをしたことはないんですけど、インナーマッスルも含めて肩の柔軟性を意識したトレーニングを取り入れています」
――緊張しているときに気持ちを落ち着かせるコツはありますか?
「あまり緊張しないほうなんですけど、ちょっと不安なときは自分に対してポジティブな言葉をかけて、『打てるよ、大丈夫だよ』ってセルフトークをしながら気持ちを落ち着かせています」
――ミスはあまり引きずらないタイプですか?
「どちらかというと引きずるかもしれません(笑)。でも、試合では常に時間が進んでいますし、ゲーム展開もスピーディーなので気持ちを切り替えて前向きにプレーすることを心がけています」

――アウトサイドヒッターとしての"理想のアタック"はどんなイメージですか?
「例えばブロックが3枚来たときに、しっかりとコーナーに決められたらうれしいですね。ブロックを利用するプレーも大事ですけど、ブロックに当てず直接床へ打ち込むスパイクは気持ちがいいですし、きれいに決まったらチーム全体が盛り上がります」
――アウトサイドヒッターのプレーで「ここを見てほしい」というポイントを教えてください。
「ポジション的には攻撃がメインなので、どんなトスでも得点を決められる力を持っているというところが強みかなと。アタックするときの高さとパワーに注目してほしいです」
――セッターを務める岩崎こよみ選手の印象をお聞かせください。
「すごく視野が広いです。誰が困っているのか、もう少しこうしたら良くなるかもしれない、と常に他の選手たちのことを見てくれている方だという印象です。一つ一つのアドバイスがとてもありがたいです」
――オフのときの岩崎さんはどんな方ですか?
「チーム内のイベントにも力を入れているというか、絶対に手を抜きません。チームでボウリングをやったときも、誰よりも本気でした。みんなで『絶対練習してきたよね』って話していたくらい(笑)、どんなことにも全力で取り組んで場を盛り上げてくださるので、一緒にいると楽しいです」

■ケニアでのリフレッシュと、試合前のルーティン
――昨シーズンが終わった後、オフはどのように過ごしましたか?
「私の父はケニア人で、母は日本人です。今は母がケニアに住んでいるので、久しぶりにケニアへ帰りました。2週間くらい母と一緒にサファリや、コーストの海のほうへ行き、大自然を満喫しました。ホッとできる、とても幸せな時間でした」
――試合前に香水をつけることがルーティンだとか?
「そうなんです。試合に向けてスイッチが入りますし、好きな香りに包まれていると落ち着くんです。試合のときは、爽やかでさっぱりとした香りや、フローラル系の香りを選びます。昨季はずっと同じものを使っていたので、今季は香りを変えようかなと思っています」
――食事の面で気を使っていることはありますか?
「食事だけでは足りない栄養素をサプリメントで補ったり、自炊をしてバランスの良い食事をするように心がけています。料理はまだまだ修業中なんですけど、ささみを柔らかくゆでた『水晶鶏』はおいしくできました。シュークリームやアイスなど、大好きな甘いものは週1回のご褒美。それを楽しみに日々頑張っています!」
――10月から新しいシーズンが始まりますが、今季の目標は?
「今までと違って、攻撃面だけではなくディフェンスにも力を入れているので、どれだけ通用するのか楽しみにしています。優勝を目指して、1勝1勝積み重ねていきたいです」

PROFILE
1998年6月27日生まれ、福岡県出身。アウトサイドヒッター。身長177センチ、最高到達点314センチ。父は元ケニア代表、母は元実業団選手というバレーボール一家に育ち、博多女子高校卒業後、日立リヴァーレ(現・Astemoリヴァーレ茨城)に入団。8シーズン在籍した後、2025-26シーズンから埼玉上尾メディックスでプレーしている。高さとパワーを生かした得点力が武器。アジアジュニア選手権をはじめ、ネーションズリーグやAVCカップなどの国際大会にも出場している。
取材・文/小池貴之(STABLENT) 撮影/大川晋児




