REAL AKIBA BOYZ・ネスが単独公演で感じた「後半やりたくないな」の真意とは

REAL AKIBA BOYZ・ネスが単独公演で感じた「後半やりたくないな」の真意とは

「REAL AKIBA BOYZ メンバー単独公演 放送スペシャル」が、12月23日(火)にCS放送「映画・チャンネルNECO」にて放送される。

同番組は、REAL AKIBA BOYZのメンバー、ネスが7月27日に東京キネマ倶楽部で開催した単独公演「うそつき」の模様を収録した「うそつき ネス単独公演」と、同公演の舞台裏に密着した映像と公演の裏側に迫ったトークを収録した「うそつき アフタートーク」から構成されるもので、公演の模様から舞台裏、アフタートークまで、公演の全貌を見ることができる特別プログラムだ。

今回、ネスにインタビューを行い、上演後の感想や同公演の裏話、単独公演に懸ける思いなどについて語ってもらった。

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――3年ぶりとなる単独公演でしたが、上演後の感想は?

「今回は2公演だったのですが、お話の内容的に2公演で良かったな、と。1公演目を終えて舞台を降りた時に、最初に口をついて出た言葉が『後半やりたくないな』だったんです。というのも、僕は基本的にバッドエンドのお話が好きで、好きだからこそやっているわけですが、本番で役に入り込んで演じていると、罪悪感が募って心が痛んでしまって...。だから、2公演で十分だったなと思います。一方で、公演自体は『今の自分しかできないことをやったな』という感覚はすごくありますね。ダンスがあって、お芝居があって、しかもそれを1人でやるというのは、今の自分ができる限界を出せたかなと思います」

――3年ぶりということでプレッシャーなどはありましたか?

「この3年の間に僕のことを知ってファンになってくれた方々が『どうやら単独公演があるらしい』という感じになっていて、期待値が上がっているのは感じていました。でも、前回、前々回のお話の内容が、今回よりももっとバッドエンドで気分が落ちる内容だったので、気が楽なつもりだったんです。ただ、ふたを開けてみると、やっぱり根底にある罪悪感みたいなものに当てられて、『後半やりたくないよぉ~』ってなっちゃったんですけどね(笑)」

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――3年の間が空いたのはどうしてだったのですか?

「お芝居するとなると単純に稽古する時間が必要で、その時間が取れなかったんです。だから、2023年と2024年はダンスのみのワンマンライブをやらせていただきました。今回は、東京キネマ倶楽部さんを2日間お借りすることができて、メンバーの龍と1日目と2日目を分け合うかたちだったので、『下手なことはできんぞ』という思いもあって、自分的にも"満を持して感"はありました(笑)。龍がダンスライブという"生"の良さを打ち出す公演だったので、僕はお芝居として"完成形を見せる"という真逆の表現で、彼との違いも出せたかなと思っています」

――タイトル「うそつき」に込めた思いは?

「僕がひねくれた生き方をしているというのもあるのですが(笑)、"知らない間にコンビニのお弁当の量が減っていて価格はそのままなのに実質的に値上げされている"など、何も考えずに身構えず生活していたら気付かないけど、世の中には"うそ"がはびこっているんですよね。何も考えずただただのんべんだらりと暮らしていたら、知らず知らずのうちに不利益を被っていることもある。だから、今回の公演を見てもらって、ふと立ち止まって自分と向き合って、『"うそ"をつかれていないか』『騙されていないか』と、自分自身を顧みるきっかけにしてもらえたらいいなという思いです。『"疑う"という感覚を持ってもいいんじゃないか』ということで、サブタイトルも『疑え』と付けさせていただきました」

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――お芝居あり、ダンスあり、というハードな内容をお一人でこなす公演はなかなか真似できない大変さがあると思いますが、一番大変なことは?

「やっぱりせりふですね。ダンスはずっとやってきていることですし、体が覚えているので頭が休まるのですが、お芝居に関しては素人に毛が生えたようなものですし、ダンスを見てもらうためにはお芝居もしっかりとしたクオリティーのあるものにしないといけないので、そういう意味でもまずはせりふを覚えないと始まらないですから。でも、紙にして40枚くらいあるので、覚えるまでは本当に時間がかかって大変です...」

――ダンスはもちろんですが、お芝居の内容もエンターテインメント性に富んでいながら、しっかりとメッセージが込められているのが印象的でした。

「僕のバイブル的存在が(元ラーメンズの)小林賢太郎さんで、『こんな人になりたい』という目標なんです。小林賢太郎さんが作る"ちょっと考えさせられるような作品"がすごく好きですし、『もしこういう世界があったら、こうなる』みたいな"非日常の中の日常"が好きなんです」

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――単独公演を続ける意義について教えてください。

「実を言うと、半分以上はファンの皆さんのためというのが本音です。実際やるのは大変ですし、『踊ってみた動画』で自分のやりたい表現はできるかなと思っているのですが、『今年はやらないんですか?』と楽しみに待っていてくれる方がいるので。あとは、年に1回くらいは自分が主役の日があってもいいかな、というのもありますね」

――ちなみに、ご自身は"うそつき"ですか?

「めちゃくちゃ"うそつき"だと思います。僕がやっている表現は、ダンスのアクティングっていうジェスチャーみたいな振りがあって、たばこを吸ってポイっと投げる仕草だったり、ナイフで人を斬りつけるような動きだったり、子供を亡くして悲しみに打ちひしがれるようなアクションをしたりするのがあるんですけど、たばこは吸ったことはありますが、ナイフで人を切ったことも、子供を亡くしたこともないのに想像だけで表現しているというのは、『自分って、うそをつきながら表現しているんだな』っていう思いがあるんです。

例えば、ラッパーは自分の生き様や信念を曲にして発信して、たくさんの人の心を震わせて、そこには一切うそがないですけど、僕は彼らのようなクリエイターが作った楽曲の歌詞を基に想像してダンスをしている。それは自分の体験ではないものを表現しているので、二次創作としてダンスをやっているイメージなんです。だからこそ、彼らに最大限の敬意を払いながら、"曲になる"をモットーに踊っているんですけどね」

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――ファンの皆さん、視聴者の方々にメッセージをお願いします。

「ダンスがあるお芝居ってなかなかないと思うので、とりあえずそれを見て楽しんでいただければと思いますし、その中でこの公演が皆さんの人生に何か1つ影響を与えるものになったら幸いです」

文/原田健 撮影/中川容邦

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放送日時:2025年12月23日 23:20~

チャンネル:映画・チャンネルNECO-HD

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