デビュー25周年を迎えた山内惠介にインタビュー「歌にこそ真実があり、それを証明するために歌っている」

デビュー25周年を迎えた山内惠介にインタビュー「歌にこそ真実があり、それを証明するために歌っている」

「NHK紅白歌合戦」への10年連続出場、そして『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』最優秀演歌・歌謡曲 楽曲賞を受賞するなど、演歌界で躍進を続ける山内惠介。今年2月にはデビュー25周年を記念し「北の断崖(きりぎし)」、さらに7月には日本を代表するシンガーソングライター椎名林檎との初タッグとなった「闇にご用心」をリリース。「闇にご用心」は水木しげる没後10年の節目に放送されるアニメ「ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ」エンディングテーマにもなっている。今回は、山内惠介さんに25周年を迎えた心境や新曲について語ってもらった。

――デビュー25周年を記念してリリースされた「北の断崖」を最初に聞いた時の印象は?

「迫力ありますよね。まず、イントロから引き込まれました。"見下ろす断崖 北岬"と歌った瞬間に断崖絶壁がバシッと見えるという構成。僕としては、聞いている方の頭にそれぞれの断崖が浮かべられるように、絵を描くように歌っているんです。僕は僕なりの断崖を歌い、聞いている方々には必ずどこかの断崖が浮かぶようなイマジネーションを大切にしています。25周年を記念した曲を自分の師匠(水森英夫氏)に書いていただけるなんて本当に奇跡のようなことです。山内惠介の真骨頂を熟知している師匠だからこその曲だと思いました。しっかり"山内印"を押せる作品を書いていただいたんだな、とありがたく思っています」

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――四半世紀という長きにわたり、歌を通して伝えてきたこと、大切にされてきたことを教えてください。

「歌の中、そしてステージには真実があるということを大切にしてきました。歌にこそ真実があり、それを証明するために歌っている。だからこそ、コンサート活動を大切にしていますし、みなさんにはぜひ会いに来てほしいですね」

――国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」では、「紅の蝶」が最優秀演歌・歌謡曲 楽曲賞を受賞されました。受賞の時のお気持ちは?

「ちょうど北海道ツアーの時に受賞の連絡を受けたのですが、まず頭に浮かんだのは『ファンの方々が喜んでくれるだろうな』という思いでした。実際に受賞を実感したのは、ファンを前にした時です。決して自分のための賞ではない、ファンが喜んでくれるからこそ、これからも賞を目標に頑張っていきたいとも思いました。ファンは僕の支えであり、原動力なんです。どの賞もひとつの結果であって、ファンの方々が応援してくれた証だと思っています。そうした勲章のようなものをいただけると『間違っていないんだな』と思えますね」

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――椎名林檎さんに新曲をプロデュースしていただくことになった際、どんなお気持ちでしたか?

「ついに念願が叶ったという気持ちでしたね。林檎さんは僕の高校の先輩で、ずっと憧れの存在でした。10年前に『NHK紅白歌合戦』でご挨拶してから、いつかご一緒したいと思っていて、昨年の紅白の時に『当たって砕けろ』という気持ちでご本人にお願いしたところ、『いいですよ』とおっしゃっていただけたんです。『紅白』は、1年かけてファンの方々が作ってくださるステージ。その場所でファンが僕の背中を押してくれたような出来事でした。その直後に『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディングテーマのお話をいただいて、林檎さんに書いていただこうと思いお願いしました。これまで自分が歌ってこなかった曲調で「北の断崖」とは違った、新しい一面を引き出していただきました」

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――ミュージックビデオもこれまでとは違う魅力を引き出す仕上がりになっていますね。

「ポップスのMVを撮るのは初めてでしたが、林檎さんにお知り合いの方をご紹介いただいたんです。なかでも世界的な振付師・AYAさんからは、かなり刺激をいただきましたね。彼女とは初めてお会いしたとは思えないくらい意気投合したのですが、林檎さんがそれを見越してキャスティングしてくださったんだと思うに至り、林檎さんのプロデュース能力のすごさを実感しましたね」

――9月のチャンネル銀河「新譜!にっぽんのうた 銀河セレクション」では、「北の断崖」のMVが放送されます。ご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。

「実際に千葉県屏風ケ浦に足を運び、風が吹きすさぶなか撮影したものです。ぜひ断崖の臨場感を味わっていただきたいです!」

取材・文/水本晶子 写真/ミヤジ シンゴ

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