ソロデビュー10年目、ワールドツアーの夢を実現したTAEMIN(テミン)の歩み

ソロデビュー10年目、ワールドツアーの夢を実現したTAEMIN(テミン)の歩み

SHINeeのメンバー、TAEMIN(テミン)の初となるソロワールドツアー『2024 TAEMIN WORLD TOUR[Ephemeral Gaze]』が現在、開催中。4月には日本でのアンコール公演も控える中、昨年9月に東京・東京体育館で行われた日本公演が、スペースシャワーTVで3月5日に、全曲ノーカットでテレビ初放送される。

TAEMINといえば、14歳でSHINeeのメンバーとしてデビューした当初から"K-POP界のマンネ(末っ子)"、可愛い存在として愛されてきた。デビュー当時からそのダンススキルは卓越していたが、2014年8月に「Danger」でSHINeeから初のソロデビューを果たすと、ボーカルスキルもメキメキ上がり、ソロアーティストとして一目置かれるようになった。2016年6月には「さよならひとり」で日本デビューを果たしたが、日本人振付師・菅原小春が手掛けた独特な世界観を持つパフォーマンスは日本のみならず世界からも注目され、新境地を開拓。そして2017年に再び菅原小春とタッグを組んだ「MOVE」のパフォーマンスでそれはさらに進化して、全世界に衝撃を与えた。

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「MOVE」は、肩と骨盤の柔らかな動きを核に、重いベースのリズムに合わせた繊細な動作で緩急を生み出すダンスが特徴的。TAEMINの中性的な魅力を活かし、セクシュアルな雰囲気を醸し出すパフォーマンスは、既存のK-POPとは異なる新しい表現方法を開拓し、TAEMINのアーティスト性を確立した。そんなTAEMINに憧れるK-POPボーイズグループメンバーたちがこぞって「MOVE」のカバーダンスを行うようになり、TAEMINは"K-POPアイドルたちのアイドル"といえる存在になった。

SHINeeは、日本では東京ドームでコンサートを行う人気を誇るグループだ。海外人気も高く、2016年にはワールドツアー「SHINee WORLD V」で北米でのライブも行った。しかし音楽だけでなく、バラエティやドラマなどさまざまな分野で活躍しているだけに、音楽活動をする期間が限られる彼らには、長期間かけて世界中をまわるワールドツアーがなかなか行えないという事情がある。

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音楽活動に主軸を置くTAEMINは、"ワールドツアー"というアーティストの夢をソロ10年目、4度目のツアー「Ephemeral Gaze」で叶えた。「Ephemeral Gaze」ツアーは、2024年8月31日の韓国公演を皮切りに、日本の東京、福岡を含むアジア10都市で開催されると、2025年のマカオ、メキシコシティ、サンパウロ、サンティアゴ、ニューヨーク、シカゴ、ヒューストン、オークランド、ロサンゼルス、ヘルシンキ、フランクフルト、ロンドン、オランダ、フランスでの追加公演が続々を発表され、"ワールドツアー"という名にふさわしい大規模なものに。4月5日、6日には東京、19日、20日には神戸で日本アンコールコンサートも決定。さらには、凱旋帰国となる韓国・ソウルでのアンコールコンサートも予定されているという。

ライブは、昨年8月にリリースした最新ミニアルバム『ETERNAL』に収録されている全7曲を核に、「MOVE」など数々のヒット曲を織り交ぜたソロ10周年の歴史をすべて詰め込んだベスト盤的なセットリストとなっている。それらがTAEMINらしい芸術的なパフォーマンス、じっくりと歌を聞かせるバラード、さらには意外なヒップホップと、さまざまなジャンルにフォーカスしたセクションで構成されている。特に前半のクライマックスともいえる、TAEMINが階段を駆け上がり客席を振り返り奈落に転落する「Heaven」のラストシーンは、必見。演劇を見ているかのようなドラマチックな演出に、思わず息を飲むはずだ。

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圧巻のパフォーマンスを見せたかと思えば、トークではニコニコの笑顔で可愛らしいギャップを見せるのもTAEMINの魅力のひとつだ。巧みな日本語で会場のファンと会話しながら進めるトークには、「ファンのことが大好き!」という彼の想いがあふれている。

ツアータイトルの「Ephemeral Gaze」には、「物は見る場所によって違う形に見えるが、TAEMINはどこから見てもTAEMINだ」という意味が込められているという。さまざまなTAEMINが見られるが、どこからどう見てもTAEMINでしかない"唯一無二のステージ"を放送で堪能してほしい。

文/坂本ゆかり

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