でんぱ組.incが紡いだ16年の歴史――挑戦と変化、そしてエンディングへ！

古川未鈴、相沢梨紗、藤咲彩音、鹿目凛、天沢璃人、小鳩りあ、高咲陽菜の7人組「でんぱ組.inc」。2007年にオープンしたライブ＆バー「秋葉原ディアステージ」で働く、アニメや漫画、ゲームなどの趣味に特化したコアなメンバーを中心に結成され、「萌キュンソングを世界にお届け」をキャッチフレーズにして、2010年ごろから本格的に活動をスタート。そんなでんぱ組.incが2025年、ついに"エンディング"を迎えることとなった。2024年10月からフィナーレを飾るツアーがスタートし、2025年1月4日、5日の2日間にわたって千葉・幕張イベントホールでエンディング公演、でんぱ組.inc THE ENDING「宇宙を救うのは、きっとでんぱ組.inc！」が開催される。

でんぱ組.incが歩んだ結成から初期の挑戦

現在、多くのアイドルグループが活躍し、一大カルチャーとして定着しているが、でんぱ組.incもそれに大きく貢献してきたグループの一つに挙げられる。2010年2月に「Kiss+kissで終わらない/Star☆tin'」を、翌2011年7月にシングル「ピコッピクッピカッて恋してよ」をリリースした後、代表曲となる「Future Diver」を11月にリリース。さらに、12月にアルバム『ねぇきいて？宇宙を救うのは、きっとお寿司...ではなく、でんぱ組.inc！』をリリースしており、この時のメンバーは古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、跡部みぅの5人だったが、12月25日の初のワンマンライブで跡部が卒業して、最上もがと藤咲彩音が加入。

初のワンマンツアーと武道館への軌跡

2012年は、6月からテレ朝動画でバラエティ番組「でんぱの神神」がスタートし、さまざまな企画にチャレンジした。2013年は初のワンマンライブツアーを開催し、1月にリリースしたシングル「W.W.D」が初のオリコンランキングのトップ10入りを果たす。大阪城野外音楽堂や東京・日比谷野外大音楽堂での単独公演も成功させるなど、大きく羽ばたくきっかけとなる年となった。2014年には東京・日本武道館公演を実現し、リリース作品でも「サクラあっぱれーしょん」がオリコン週間シングルランキングで３位を記録するなど、飛躍の年に。言葉を畳み掛けるようなアッパーチューンを中心に、でんぱ組.incならではの世界観をしっかりと築き、リリースでもライブでも個性を打ち出し、個々の個性もより磨かれていった。

メンバーの卒業と加入を通じてグループが進化

ベボガ！（虹のコンキスタドール黄組）の鹿目凛、虹のコンキスタドールの根本凪が加入（当時は兼任）し、グループが新章に突入。新メンバーの加入はグループの起爆剤に。そしてメンバーの卒業もグループの変化やメンバーの成長するタイミングとなる。2021年2月に行われた、成瀬の卒業公演「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!!〜バビュッと行くよ未来にね☆〜」では、成瀬自身が作詞した「ポジティブ☆ストーリー」を披露するなど、 "でんぱ組.incの太陽"と呼ばれた彼女らしさをしっかりと見せた。そしてこのタイミングで、愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜の5人が加入。"太陽"が卒業しても、新たな輝きでグループがこれから進む道、未来を照らした。

そして2024年4月、東名阪ツアー「We need the DEMPA TOUR 2024」の東京公演にて、「大切なお知らせがあります」と切り出し、"エンディング"を迎えることを発表した。10月からのツアーも趣向を凝らし、エンディングまで全力で走り続けている。

文／田中隆信