ハーモニーだけじゃない!Little Glee Monsterのショーマンシップに"沼る"夜
2024.11.18
「Little Glee Monster Precious Live 完全版」が11月24日(日)にSPACE SHOWER TVにて初回放送される。
同番組は、Little Glee Monsterが9月23日に千葉・森のホール21で行った「Precious Live」の模様を90分の特別番組として独占放送するもので、30分のドキュメンタリー特番も合わせて120分オンエアされる。
「Precious Live」は、毎年全国各地で開催されるスペースシャワーTVとJ:COMのタッグで贈る完全招待制プレミアムライブで、Little Glee Monsterは2021年に無観客で開催したライブ以来の出演。今回は、オリジナル楽曲だけでなくカバー曲も披露するほか、高校生とのコラボも実施した。
Little Glee Monsterといえば、力強い歌声と高度なアカペラをも歌いこなす透き通ったハーモニーが特長で、一般的なイメージとしてそれが大きな割合を占める。だが、このライブは彼女たちの高いショーマンシップが感じられる"特別なライブ"となっている。というのも、今回は「Little Glee Monsterのライブ初参戦」という観客も少なくなく、ライブの構成やセトリ、演出に至るまで、普段のライブとはひと味違った"新規客"に寄り添ったものになっているからだ。
まずは、アリアナ・グランデ「One Last Time」やBTS「Butter」、ABBA「Dancing Queen」など新旧の海外ヒット曲を多数交えたアカペラメドレーを披露し、自身の持ち味であり多くの観客が期待するハーモニーをこれでもかと見せつける。静かな会場に響き渡る6色の歌声は、それぞれが絡み合い高め合って"至高の音楽"へと昇り詰めていく。その時間は、空間も含めて"その場、その時"でしか体感できないアートだ。初めは、彼女たちの奏でるハーモニーを一音も漏らさず堪能しようと耳をそばだてていた観客たちも、いつしか体を揺らして、共に音楽を楽しむという姿勢に変化。アカペラメドレーが終わる頃には、既に会場が1つになっていた。
最初のMCでは、MAYUが3年前の「Precious Live」を振り返りつつ、「(今回は)新しい仲間と共に、そして目の前に皆さんを感じることができるという、これ以上ない幸せを最後まで噛み締めながら音楽を楽しめることを心からうれしく思います」と述懐。さらに、「『今日、初めてだよ』って方、手を挙げてくださいます?」と呼びかけ、会場の約半数となる挙がった手に驚きながらも、「初めまして!ありがとうございます。『行ってみようかな』って思ってくださったのが、本当にうれしいです」と喜びを伝えた。
「Join Us!」「DIVA」と軽やかな楽曲を披露した後の「Ready to go」「WONDER LOVER」では、迫力あるダンスで魅せる。ハーモニーだけでなく、激しいダンスも踊れる上に、自慢のハーモニーも損なわないというパフォーマンスに、観客たちは一気に魅了される。miyouは「(ライブが初めてだと)さっき手を挙げてくれた方、『ダンスをこんなに踊るって知らなかったよ』って人?」と客席に尋ね、想定以上の多さに「おぉ...」と驚きながら、"ダンスも踊れる"というイメージが浸透していないことに、メンバーと顔を見合わせて「どう頑張っていく、うちら?(笑)」と苦笑い。かれんは「初めての皆さんは、ぜひ友達に『リトグリ踊りますよ。一緒に見に行きませんか?』って、ね」とアピールして笑いを誘う。知らない方はぜひ彼女たちのダンスにも注目しつつ、観客との距離感の近い親近感あふれるトークも楽しんでもらいたい。
さらに、事前に募集したリクエスト楽曲とそれにまつわるエピソードを紹介した後、メンバーが歌唱するリクエストコーナーでは、メンバー同士の仲の良さが垣間見える。ラジオのようなクロストークに加え、わちゃわちゃした丁々発止のやり取りが会場を和ませて、エンターテインメント性を醸成。高揚感あふれる歌声やダンスだけでなく、笑いと和やかさが満載のトークやアイドル性など、短い時間の中でさまざまな一面を見せて楽しませてくれる。
そして、今回のライブの特徴の一つでもある千葉県立幕張総合高等学校ダンス部とのコラボレーションステージでは、学生たちのパフォーマンスを引き立てつつも、自分たちの魅力も全面に出たステージングを披露。以前、取材でかれんが、カバー曲を歌う時に意識していることについて「原曲へのリスペクトは大事にしながらも、"自分たちの色の混ぜ方"を意識しています」と明かしてくれたが、その精神はコラボでも生きており、相手へのリスペクトと共に、自分たちが歌う"意味"についても追求している姿勢が、一層ステージを輝かせている。
ライブを体感することで、「Little Glee Monster=ハーモニー」ではなく「Little Glee Monster=ハーモニー and more」ということが分かるはず。その根幹にある彼女たちのショーマンシップはライブでしか味わえないため、ぜひ一度その目で確かめていただきたい。そうすれば、必ず彼女たちの魅力に"沼る"こと請け合いだ。
文/原田健