俳優としても活躍中のソ・イングクが、アーティストとして魅せた日本デビュー10周年記念ファンコンサート

2009年に参加した国民的オーディション番組で72万人の頂点に立ち、同年に歌手デビューを果たしたソ・イングク。2012年からは俳優業にも進出し、現在では多方面で活躍するエンターテイナーとして多くの人を魅了している。日本でもその人気は絶大で、11月上旬には3都市の日本ファンコンサートを開催し、成功を収めたばかりだ。

歌手としてのソ・イングクは自身名義のオリジナル曲以外に多数のドラマOSTにも携わっており(「応答せよ1997」の「ALL FOR YOU」、「主君の太陽」の「恐れもなく」などが有名)、その実績が裏付ける豊かな表現力と高い歌唱力が武器。一度聴いたら忘れられない美声で、ステージでは珠玉のバラードからダンサブルなナンバーまで幅広いジャンルを歌いこなす。昨年は日本での歌手デビュー10周年を迎え、記念シングル「THE X」のリリースと東京・大阪で行った『SEO IN GUK「IN THE X」日本デビュー10周年記念ファンコンサート』も話題に。東京国際フォーラム ホールAで開かれた、その東京公演の模様が、11月17日(日)にホームドラマチャンネルにて放送される。

SEO IN GUK「IN THE X」日本デビュー１０周年記念ファンコンサート＜東京公演＞
(C) THE STAR E&M

イベントの見どころは多岐に渡るが、まずは何と言っても観客の胸を大いに高鳴らせるオープニングだ。場内が暗転すると、ファンの待つステージへと歩いて向かうソ・イングクの舞台裏の姿が映し出され、客席は大歓声。10周年シングルのタイトル曲「Don't Be Jealous」で公演の幕は上がり、やわらかい表情で伸びやかなボーカルを響かせる。1曲目の緊張をものともせず、すぐさま一体感のある空気を作り上げた実力はさすがのひと言だ。

その後は、近況トークや観客とコミュニケーションをとる"俳優ソ・イングク"としてのラフなコーナーを挟み、後半は再び"歌手ソ・イングク"の魅力を放出させる時間へ突入。ここからは、多彩なナンバーと曲ごとに"歌の景色"がガラッと変わるパフォーマンスに注目だ。懐かしい日本デビュー曲「Fly Away」は、客席を真っすぐに見つめながら切なくしっとり歌い、ファンに「一緒に(歌って)！」と呼びかける場面も。イスに座り、背後のモニターに雪景色が映される中で始まった「Youth」は幻想的なムードに全員が酔いしれる。続く「笑って泣いて」は穏やかなメロディーと優しい歌声が印象的で、心を震わす高音域のロングトーンも圧巻だ。

SEO IN GUK「IN THE X」日本デビュー１０周年記念ファンコンサート＜東京公演＞
(C) THE STAR E&M

日本で歌う曲も、彼の真摯な想いが伝わる一瞬一瞬が見逃せない。ナチュラルな発音が見事な「Seasons of the Heart」「Thank you」は歌詞のメッセージを全身で届けるような深い表現力に胸を掴まれる。そして、直筆の手紙を日本語で読む温かいエンディングで公演を一旦締めくくると、アンコールはなんと客席からサプライズ登場。「ALL FOR YOU」でファンにありたっけの愛情を届けて回り、会場中が大いに揺れるクライマックスとなった。

2023 SEO IN GUK CONCERT〈Blending〉（日本語字幕版）
(C) THE STAR E&M

そんな、ファン必見の10周年記念ファンコンサートが放送される翌週の11月25日(月)には、2023年1月に東京・中野サンプラザで開催した単独コンサート「2023 SEO IN GUK CONCERT〈Blending〉」の模様をオンエア。飾らないナチュラルな一面と、スイッチがオンになったアーティストの姿......。その両方の魅力が堪能できる2つのプログラムをぜひチェックしてほしい。

文／川倉由起子