デビュー24周年を迎える倖田來未が最新のライブで輝きを放つ

今年デビュー24周年を迎える倖田來未が、全国25会場26公演に及ぶツアー「KODA KUMI LIVE TOUR 2024 〜BEST SINGLE KNIGHT〜」を開催中。サブタイトルに"BEST SINGLE"とあるように、倖田の持つ"究極"のエンターテインメントが凝縮されたステージを見せてくれている。その中で、9月6日(金)の東京ガーデンシアター公演がテレ朝チャンネル1で独占生中継される。

倖田來未がデビューしたのは2000年。90年代終盤から2000年代初頭にかけて多くの個性的なソロアーティストがデビューしたが、倖田もデビュー当初からしっかりと個性を放っていた。日本デビューに先駆けてアメリカでシングル「TAKE BACK」をリリースし、ダンスポップセールスチャート初登場20位(最高位18位)を記録。続く「Trust Your Love」もシングルのリミックス版が全米ビルボード総合チャートで19位になるなど、その歌唱力の高さと豊かな表現力によって、グローバルなフィールドでも活躍できることを証明していた。

2000年12月の日本デビュー後、2004年にリリースしたシングル「LOVE & HONEY」が大きなブレイクポイントとなった。庵野秀明監督による実写映画『キューティーハニー』の主題歌「キューティーハニー」を倖田が担当。1973年から1974年にかけて放送されていた人気アニメ「キューティーハニー」の主題歌を倖田がカバーし、楽曲自体も新たに生まれ変わり、倖田の"エロかっこいい"という形容詞で称えられるスタイルも浸透し確立した。そして、その進化形として2005年6月に「Butterfly」をシングルとしてリリースし、オリジナル曲でもしっかりと倖田ワールドを示した。この曲は第47回日本レコード大賞の大賞を受賞している。

さらに、"チャレンジ"を続けていることも彼女の大きな魅力。2005年の12月から"12週連続シングルリリース"という前代未聞のチャレンジを行った。今でこそ、配信リリースも多くなり、連続リリースも行いやすい状況となっているが、配信ではなくCDとして連続リリースするというのは、他に例のないものだった。その第1弾となった「you」が自身初のオリコンランキング初登場1位を獲得したことも、彼女の人気がさらに右肩上がりになっていたことの証だと言える。

その後もJ-POPシーンをリードする存在として多くの作品をリリースしている。リリースに関してのチャレンジというと、2017年に"2面性"をコンセプトにアルバム『W FACE 〜inside〜』『W FACE 〜outside〜』を2枚同時にリリースしたことや、翌2018年にも2月にアルバム『AND』をリリースし、8月に対となるアルバム『DNA』をリリースするなど、仕掛けやコンセプトにこだわった活動も印象的だ。

リリース中心に初期のヒストリー的なものを振り返ってみたが、その確立したスタイルとポジション、人気の高さをキープし続けているのは、彼女の持ついろんな"魅力"によるものだと思われる。まず挙げられるのが"歌とダンス"。もともと高い歌唱力を誇り、アッパーな曲からバラードまで感情豊かに表現できることが多くのリスナーを惹きつける要素となっている。"ダンス"に関しても、ミュージックビデオやライブでのパフォーマンスを見ていると、そのしなやかさ、妖艶さ、パワフルさは、彼女がリスペクトする海外のアーティストたちのパフォーマンスと重なったり、彷彿とさせるものがあり、しかも彼女独自のエッセンスもきっちりと盛り込まれているのがわかる。

もう一つの魅力は彼女自身の"キャラクター"。スターでありながら、親しみやすさを感じさせてくれる。ライブを見た人なら分かると思うが、苦労をした経験があるからこそ、MCなどでも人に寄り添った発言があり、希望を与えてくれる名言も多い。

そんな彼女の魅力がしっかりと感じられるのが最新のライブだと言える。今回放送される「KODA KUMI LIVE TOUR 2024〜BEST SINGLE KNIGHT〜」は、タイトル通り、新旧ヒット曲で構成されたステージを展開。およそ四半世紀の活動の中で発表されてきた楽曲を、2024年の"最新"の倖田來未が魅せるステージとなる。楽曲の良さを再確認すると同時に、進化と深化もたっぷりと味わうことができそうだ。

文／田中隆信