アガサ・クリスティー原作ドラマ「ゼロ時間へ」撮影秘話を主演アンジェリカ・ヒューストンが語る「ベッドの上での撮影は楽しかったわ」

アガサ・クリスティー原作ドラマ「ゼロ時間へ」撮影秘話を主演アンジェリカ・ヒューストンが語る「ベッドの上での撮影は楽しかったわ」

"ミステリーの女王"アガサ・クリスティーの傑作を映像化したドラマ「ゼロ時間へ」。海辺の屋敷で起こる殺人事件をめぐり、家族や友人たちの思惑が交錯する――。本作の主役で、ベッドの上から一家を支配する型破りな女家長レディ・トレシリアンを演じるのはアンジェリカ・ヒューストン。彼女に"寝台の女王"をどのように演じたのか。そして、撮影裏話から作品への思いまで語ってもらった。

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(C) Agatha Christie Productions Limited MMXXIV

――ご自身が演じられたレディ・トレシリアンとはどの様な人物ですか?

「レディ・トレシリアンは距離のある複雑な家族を率いる一族の女家長です。それぞれが多くの問題を抱えているので自分がいないと家族はまとまらない。少なくとも彼女はそう考えています。彼女は周りの人を自分の思い通りに動かすのがとても上手なんです。まるで船の船長のように、皆をうまく導いている感じですね。レディ・トレシリアンを演じるのはとても楽しかったわ。彼女は自分の寝床、つまりベッドにいながらすべてを仕切る人物なんです。だから、私もずっとベッドの中で演技していました。毎日、撮影現場に着いたらベッドにもぐりこんでいたの! いつもの撮影とは真逆の体験でした」

――レディ・トレシリアンを3語で表すとしたら?

「支配的、打算的、型破り、ですね」

――レディ・トレシアンを権力的にしているものはなんですか?

「レディ・トレシリアンはまるで男性のように物事を仕切る女性です。少なくとも彼女はそうありたいと思っていて、自分がボスであることを誇示しようとします。当時の女性としては非常に珍しいことです。彼女は虚栄心も持ち合わせています...。人の好き嫌いが激しく、相手の考えを見抜く力があり、人に対して批判的です。"子どもたち"を愛してはいますが、彼らの好きなようにはさせません」

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(C) Agatha Christie Productions Limited MMXXIV

――レディ・トレシリアンと付添人のメアリー・オルディンの関係について教えてください。

「メアリーはレディ・トレシリアンの子どものような存在です。実子ではありませんが、一番古い友人の娘です。彼女に指図をしたり、間違いを正したり、たしなめるのはレディ・トレシリアンの役目なのです。メアリーは長年、レディ・トレシリアンの仕打ちに苦しみながら耐えてきました。レディ・トレシリアンはメアリーの考え方、読む本、行動までコントロールしようとします...。かわいそうなメアリーに自分の考えを厳格に押しつけるのです」

――イギリスのアクセントはどのように習得しましたか?

「私はアイルランド西部とイングランドで育ったのでその頃に身に付けました。イギリスなまりについては経験豊富なんですよ」

――実際にレディ・トレシリアンのような女性に会ったことは?

「ありますよ。子どもの頃はレディ・トレシリアンのような女性が周りにたくさんいました。会うのは主に狩猟をする時です。父の狩猟クラブ、ゴールウェイ・ブレイザーズにはレディ・トレシリアンのような自己主張が強く男勝りな女性が多くいました。実際にその場を仕切っていたのは彼女たちでしたね」

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(C) Agatha Christie Productions Limited MMXXIV

――「ゼロ時間へ」の主要テーマは?

「家族、忠誠心、誠実さ・・・あと殺人ですかね」

――「ゼロ時間へ」をひと言で説明するとどんなドラマですか?

「古典的でユーモアと意外性に富み、構成が緻密に練られたドラマです」

――レディ・トレシリアンは見た目も素晴らしいですね!セットや衣装について教えてください。

「私はベッドの中で過ごすのが好きなので、まず、ベッドにいる設定は気に入りました。衣装は当然、寝間着になるわけですが、それもステキだったわ。ネグリジェやガウンを着て演技するのは快適でしたね!」

――「ゼロ時間へ」の舞台について教えてください。

「舞台は砂丘に囲まれたガルズ・ポイントと呼ばれる、デヴォン州の海岸沿いにたたずむ小さなイギリスらしい村です。レディ・トレシリアンが住むのはおそらく村の中でも一番大きな屋敷でしょうね。先祖代々受け継がれた、由緒正しい邸宅です」

――アガサ・クリスティーの作品が現在も人々を魅了する理由は何だと思いますか?

「人は名作を好むものですし、ストーリーが緻密でウイットに富んだ古典的な作品が今も好まれているのはステキなことだと思います。アガサ・クリスティーの小説はその典型です。彼女は、まだ女性が社会で活躍することが難しい時代に執筆をしていました。彼女には鋭い観察眼があり、無駄のないキャラクター描写は本質を突いています。今でも人気があるのは当然だと思います」

――撮影で一番印象に残ったことは?

「ベッドです! 撮影現場に呼ばれてベッドに入るよう指示されることなんてないですから。普通なら逆です。ベッドの上での撮影は楽しかったわ」

――自分がアガサ・クリスティー作品の登場人物だったら、生き残ると思いますか?

「私だったら5分も持たないと思います。賢くないととても無理でしょうね!」

放送日時:2025年12月 6日 06:00~

チャンネル:ミステリーチャンネル

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