松坂桃李の狂気から複雑な心情までが光る出演作5選!「父と僕の終わらない歌」「御上先生」ほか

話題のドラマ「VIVANT(2023)」「VIVANT(2026)」で別班員を演じ、2027年大河ドラマ「逆賊の幕臣」への主演も決まっている松坂桃李。役の内側にある葛藤や憂いをにじませ、時には狂気すら感じさせる存在感で、俳優として異彩を放ってきた。デビュー当初はさわやかな役の印象が強かったが、キャリアを重ねるにつれて役柄の幅を広げてきた。日本アカデミー賞主演男優賞を受賞するなど、演技力も高く評価される松坂の出演作を5本紹介する。

■父と僕の終わらない歌

261015_matsuzaka02.webp

(C)2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会

イギリスの実話をベースに、小泉徳宏(こいずみのりひろ)監督が舞台を日本に置き換えて描く感動作。原案はサイモン・マクダーモットの同名小説で、主演の寺尾聰がアルツハイマー型認知症を患った父、松坂がその息子を演じている。レコードデビューという父の若き日の夢をかなえるため、息子が奔走する。その軸となるのが、父と息子の絆だ。思い出を忘れていく父の姿を目の当たりにしながらも、息子は父の夢をかなえるために動き続ける。寺尾と松坂が演じる父子の関係性が物語を支え、父の過去や思いに寄り添いながら、息子が家族として向き合っていく姿が描かれる。

261015_matsuzaka03.webp

(C)2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会

思い出を忘れていく父を前に、不安や葛藤を抱えながらも寄り添い続ける息子の優しさを、松坂は繊細な表情と自然な佇まいで表現。父との何気ないやり取りにも、息子が抱える思いをにじませている。アウトローや官僚など、これまでさまざまな役柄を演じてきた松坂が見せる、家族を思う柔らかな表情も印象的だ。役柄によって異なる顔を見せる松坂の表現の幅を感じられる一作となっている。

■御上先生

261015_matsuzaka04.webp

(C)TBS

TBS系「日曜劇場」枠で松坂が初主演を務めた作品。文科省官僚の主人公が高校教師となり、令和の18歳と共に日本教育に蔓延(はび)る腐った権力へ立ち向かう大逆転教育再生ストーリーで、教育や権力、政治への問題意識が随所に描かれる。殺人事件を絡めたミステリー的な展開もあり、学園ドラマでありながら先の読めないストーリーが展開していく。松坂が演じたのは、私立高校への出向という形で教壇に立つことになった文科省官僚・御上(みかみ)。制度を作る側にいた人物が、実際に生徒と向き合う現場に立つことで、これまでとは異なる問題に直面していく。生徒たちに「考えて」と問い続ける御上の姿からは、教育に対する強い意志が感じられるのではないだろうか。

261015_matsuzaka05.webp

(C)TBS

感情を大きく表に出すタイプではない御上を、松坂は抑制の効いた演技で演じている。淡々とした言葉やわずかな表情の変化から、複雑な思いを抱えていることが伝わってくるように感じられる。強い言葉で感情をぶつけるのではなく、細かな表情の変化によって内面を想像させるところも、この役の見どころといえるのではないだろうか。静かな佇まいの奥にある御上の葛藤を、どのように受け取るかも作品の楽しみの一つだと思う。

※本記事の内容は当メディアが作成したものであり、公式な見解を示すものではございません

■「孤狼の血」シリーズ

261015_matsuzaka06.webp

(C)2018「孤狼の血」製作委員会

映画『凶悪』など、数々の作品でアウトローを描いてきた白石和彌(しらいしかずや)監督が、柚月裕子(ゆづきゆうこ)の原作小説を映画化。昭和末期の広島を舞台に、暴力団同士の抗争が激化する中で、裏社会と対峙する刑事たちの姿を描く。1作目「孤狼の血」では、役所広司演じる古株のマル暴刑事・大上の部下として配属された新人刑事・日岡を松坂が演じた。裏社会の人間に慕われ、違法行為もいとわない大上に反発しながらも、その捜査能力や実績には複雑な思いを抱く。続く「孤狼の血 LEVEL2」では、数年を経て、かつての大上のように裏社会に顔の利く存在となった日岡が描かれる。

261015_matsuzaka07.webp

(C)2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

正義を信じていた新人・日岡が、先輩・大上の影響を受けるようにして、次第に危うい道へ踏み込んでいく。その変化を松坂は、表情や声、身のこなしまで変えながら表現している。1作目と2作目での日岡の違いはもちろん、1作目の前半と後半でも、次第に変わっていく彼の顔つきが印象に残る。新米刑事から野獣へと変貌していく日岡は、松坂の振り幅を象徴する役柄の一つだ。

■新聞記者

261015_matsuzaka08.webp

(C) 2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

シム・ウンギョンと松坂がW主演を務める社会派サスペンス。望月衣塑子(もちづきいそこ)の同名ベストセラーを原案としたオリジナルストーリーで、新聞記者とエリート官僚、それぞれの立場から真実に向き合う姿を監督・藤井道人で描く。真実を追う新聞記者と、政権に不都合な真実をコントロールする内閣情報調査室の官僚が、ある人物の自殺を巡って対峙することになる。松坂が演じたのは、エリート官僚・杉原。組織の一員として職務を遂行する一方、政権の暗部に気づいたことで、自らの立場と良心の間で葛藤を深めていく。

261015_matsuzaka09.webp

(C) 2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

そんな杉原の苦悩を、松坂は静かで穏やか、そして繊細な演技で表現。多くを語ることなく、視線や表情、わずかなしぐさによって、胸の内に抱えた揺れを浮かび上がらせている。正義感を前面に押し出すのではなく、組織の中で葛藤しながら一歩ずつ決断していく人物として杉原を演じることで、物語に緊張感をもたらしている。抑えた演技だからこそ伝わる、杉原の内面の変化が見どころだ。

■いのちの停車場

261015_matsuzaka10.webp

(C)2021「いのちの停車場」製作委員会

南杏子の原作小説を成島出(なるしまいずる)監督が吉永小百合主演で映画化したヒューマンドラマ。大学病院で第一線の救命救急医として活躍してきた咲和子(さわこ)が、実家のある金沢へ戻り、在宅医療で患者をケアする「まほろば診療所」で働くことになる。そこでの日々を通して、咲和子は今までとは違う形で命との向き合い方を見つめ直していく。松坂が演じたのは、咲和子を追いかけて診療所へ押しかける青年・野呂。安楽死を含む命を巡る重いテーマが描かれる中、野呂は素直で純朴な人柄を見せ、咲和子や診療所の人々と関わっていく。

261015_matsuzaka11.webp

(C)2021「いのちの停車場」製作委員会

野呂の純朴さや、人を思いやるひたむきさを、松坂は飾らない演技で表現。相手に向ける柔らかな表情や自然な振る舞いから、野呂の誠実な人間性を伝えている。これまでの作品で見せてきた鋭さや危うさとは異なり、穏やかで柔らかな表情を見せる松坂。その繊細な表現からも、役柄に合わせて印象を変える演技力が感じられる。重いテーマの中で、野呂の存在が作品にもたらす温かさにも注目したい。

文/editaholic

チャンネル:J:COM STREAM

国内ドラマ 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

※放送スケジュールは変更になる場合がございます