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「モブランド」シーズン1の見どころがよく分かる!人物相関図付き

「モブランド」シーズン1の見どころがよく分かる!人物相関図付き

トム・ハーディ×ガイ・リッチー、スタイリッシュでクールなクライムサスペンス誕生!

イギリスのロンドンで、莫大(ばくだい)な富と権力が渦巻く裏社会を牛耳る犯罪一家「ハリガン家」。“最強のフィクサー(もみ消し屋)”として、彼らに忠誠を尽くす男、ハリーが暗躍する――。

【J:COM STREAM】「モブランド」見どころ まるわかりダイジェスト

見どころ

キレのある演出で描き出す、ロンドンの闇で繰り広げられるパワーゲームに息をのむ!

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(C)2025 Paramount Global

裏社会の頂点に君臨するハリガン家を支えるのは、"最強のフィクサー"ハリー。ファミリーのトラブル処理から裏切り者の排除まで、完璧に仕事をこなす彼だったが、ボス・コンラッドの孫エディが起こした小さな事件が、危ういバランスの上に成り立っていた裏社会の秩序を崩し、組織の根幹を揺るがす事態へと発展していく。

アメリカでの配信開始から7日間で視聴者数880万人を記録し、グローバルシリーズ作品としてParamount+史上最大の数字をたたき出した超話題作として注目を集める本作。ファミリーを守るための汚れ仕事を一手に引き受けるハリーが、傍若無人なボスの孫エディが引き起こした事件の後始末をきっかけに、過酷な運命へと巻き込まれていく様子をドラマチックに描く。

最大の見どころは、エグゼクティブ・プロデューサーとしても名を連ねるガイ・リッチー監督のスタイリッシュな演出。彼の名を一躍世界に知らしめた『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』から受け継がれる、美しく計算された陰影、リズミカルなカット、そして緊張感あふれるカメラワークは健在だ。さらに、オープニングには人気ロックバンド、フォンテインズ D.C.の楽曲「Starburster」を起用。作品の世界観とシンクロする、重要なモチーフがちりばめられたオープニングにも注目だ。

ショーランナーを務めるのは、第82回ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門の作品賞と男優賞で「SHOGUN 将軍」とショーレースを競った「ジャッカルの日」を手がけたローナン・ベネット。彼の代表作でもある「トップボーイ」でも描かれた、ロンドンの裏社会に生きる人々によるスリリングなパワーゲームが、本作では豪華キャスト陣の熱演によって、さらなる奥深い物語に。話が進むにつれて明かされていくハリガン家の確執と、ハリーをはじめ一族に関わる人々の運命の行方から目が離せなくなる。

トム・ハーディら実力派俳優陣の緊張感あふれる演技バトルが作品を一層引き立てる!

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(C)2025 Paramount Global

ハリガン家のトラブルを長年に渡ってもみ消してきた主人公ハリーを演じるのは、映画『ヴェノム』シリーズで知られるトム・ハーディ。頼もしさを感じさせる屈強な体格と低く落ち着いた声、そして冷静沈着なポーカーフェイスで、どんな修羅場にも動じず、淡々と仕事をこなす姿に、ハーディならではの圧倒的な存在感が漂う。そんなハリーでも、妻のジャン(ジョアンヌ・フロガット)と娘のジーナ(テディー・アレン)を前にすると、人間的な一面を見せる。特に、娘に促されて妻に謝るシーンでは、子どものように視線を泳がせながら困惑するハリーという人物の愛らしさを、ハーディは細やかな表情の変化で表現している。

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(C)2025 Paramount Global

そんなハリーが忠誠を誓うファミリーの頂点に君臨するコンラッドを演じるのが、「007」シリーズの5代目ジェームズ・ボンドを務めたピアース・ブロスナンだ。上質なファッションを気品たっぷりに着こなし、まさに英国紳士然としたたたずまいのコンラッドだが、自らの縄張りで稼ぐ移民ギャングの始末をハリーにさせた場面では、下品な言葉で瀕死(ひんし)のリーダーをなじり、文字通り"死体蹴り"をするという非情ぶりを見せる。ブロスナンは、そんなコンラッドの威厳と冷酷さを、深く響く声と抑制の効いた演技で巧みに表現。洗練された外見の裏に潜む暴力的な本性を、説得力たっぷりに描き出している。

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夫を言葉巧みに操り、ファミリーを実質的に支配しているのがコンラッドの妻メイヴだ。彼女を威厳たっぷりに演じているのが、イギリスが誇る名優ヘレン・ミレン。映画『クィーン』でアカデミー賞をはじめ、数々の主演女優賞を受賞した彼女は、本作でも圧倒的な存在感を放つ。低く響く声でゆっくりと紡ぐセリフはまるで呪文のようで、コンラッドが疑問を抱くことなく彼女に従ってしまうのも、思わず納得してしまうほど説得力に満ちている。また、ロンドンの裏社会を揺るがす大事件を起こし、謹慎処分になっている孫のエディには、柔らかく包み込むような声で「コケにされたら対処するのがハリガンの男。お前はよくやった」と語りかけ、犯罪行為を助長させる正真正銘の悪人を、ミレンは見事に演じている。

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(C)2025 Paramount Global

祖母メイヴに溺愛され、ファミリーの権力をまるで自分のものかのように振るう青年エディを、ダニー・ボイル監督の「セックス・ピストルズ」でジョン・ライドン役を務めたアンソン・ブーンが好演。無鉄砲で恐れ知らず、自分の行動に一片の後悔も抱かない傍若無人ぶりを、ブーンはナチュラルな演技で体現している。無軌道な若者特有の危うさとエネルギーをまとう彼の存在は、物語に不穏な火種を投げ込むキーパーソンとなっている。

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そして、最愛の息子だけでなく、合成麻薬フェンタニルの市場もハリガン・ファミリーに奪われようとしているスティーヴンソン・ファミリーのボス、リッチーをジェフ・ベルが演じている。映画『キング・アーサー』など、ガイ・リッチー監督作で印象的な存在感を放ってきた彼が、本作でも悲哀をにじませたいぶし銀の演技で、トム・ハーディ演じるハリーとの緊張感あふれる関係性に深みを与えており、物語に重厚な影を落としている。

あらすじ

ファミリーに忠誠を誓うハリーの元に舞い込んで来た事件が新たな戦争の引き金を引く!

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(C)2025 Paramount Global

ロンドンの裏社会を牛耳る、コンラッド・ハリガン(ピアース・ブロスナン)を当主とするハリガン家。その絶大な権力を支えてきたのは、表向きの当主であるコンラッドではなく、裏であらゆる不祥事をもみ消してきた"フィクサー"ことハリー(トム・ハーディ)の存在だった。

ある日、対立するスティーヴンソン・ファミリーが手がける合成麻薬フェンタニルの市場を奪うよう、コンラッドの妻メイヴ(ヘレン・ミレン)が提案する。コンラッドはその計画に着手しようとするが、その矢先、孫のエディ(アンソン・ブーン)がクラブで口論となった相手をナイフで刺す事件が発生。ハリーはいつものように暴力と脅し、さらには殺人によって完璧にもみ消す。しかし、スティーヴンソン・ファミリーのボス、リッチー(ジェフ・ベル)に呼び出されたハリーは、エディが事件当時、リッチーの息子トミーと行動を共にしていたこと、そしてその日を境にトミーが消息を絶ったことを知らされる。

一方、コンラッドはメイヴの入れ知恵で証拠もないまま、自身の幼なじみでファミリーのアドバイザー的存在だったアーチー(アレックス・ジェニングス)が、フェンタニル市場への参入を妨害していたとして、一族と顧問弁護士の前で射殺してしまう。ファミリーを巡る状況が混乱を極める中、トミーの捜索を続けていたハリーは、エディが犯した重罪の証拠にたどり着く──。

文/中村実香

人物相関図

人物相関図

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