ビリー・ボブ・ソーントンら豪華キャストが出演!話題作「ランドマン」で描く、石油を巡る人間模様
海外ドラマ 見放題
2025.01.23
「タルサ・キング」、「メイヤー・オブ・キングスタウン」、「イエロー・ストーン」など、目の肥えた海外ドラマファンも魅了する名作でエグゼクティブプロデューサーを務めてきたマルチクリエイター、テイラー・シェリダン。彼の最新作で、世界的に注目されている社会派ドラマ「ランドマン」がパラマウントプラスで1月17日から独占配信中。
真田広之とゴールデングローブ賞を競ったビリー・ボブ・ソーントンが好演!
石油の採掘ブームが訪れたテキサス州西部を舞台に、石油業界の光と影をシェリダンの持ち味でもある鋭い視点と美しい映像で描き出す本作。主人公のトミー・ノリスは、石油業界の問題解決に従事する通称「ランドマン」として長年、巨万の富を築き上げた石油会社の経営者と採掘現場で働く労働者たちの間、また地元コミュニティを巻き込んで起こる数々のトラブルに対して、事態収拾に動く。
トミーを演じている俳優、ビリー・ボブ・ソーントンは映画『アルマゲドン』でNASA総指揮官ダン・トルーマンを印象的に演じたことで知られる実力派。1996年の映画『スリング・ブレイド』では監督・脚本・主演を兼任し、第69回アカデミー賞脚色賞に輝くなど、テイラー・シェリダンとの共通点も多い俳優でもある。
そんな彼が本作で披露しているのは、驚くほどに自然体の演技だ。ドラマの冒頭で、トミーは石油採掘現場でもある土地の鉱業権を主張し、石油会社から金を巻き上げるために彼を拉致したメキシコ系麻薬カルテルのメンバーに口汚く悪態をつく。暴力や脅しには決してひるむことなく隙を狙って逆に彼らを脅し、優位な立場で交渉を進める百戦錬磨のランドマンを、ソーントンは無精ヒゲにカウボーイハット、洗いざらしのシャツとジーンズという肩の力が抜けたスタイルで演じている。
仕事では常にこわもてで、バーの店員からの気軽な軽口にも必要以上の毒舌で返すクセ者として認識されているトミー。しかし、久しぶりに共同生活をすることになった10代の娘エインズリーには、仕事仲間には決して見せないであろう優しい表情で甘やかしてしまうといったほほ笑ましいギャップも、ソーントンはナチュラルに演じている。
そんな名演が高く評価され、第82回ゴールデングローブ賞 テレビ部門 主演男優賞(ドラマシリーズ)にノミネート。ドナルド・グローバー、ジェイク・ギレンホール、ゲイリー・オールドマン、エディ・レッドメイン、そして真田広之という超一級の俳優陣と栄冠を競い合ったのは記憶に新しい。
デミ・ムーア、ジョン・ハムなど実力派俳優陣が織りなす奥深い人間ドラマ
トミーが長年仕えている億万長者の社長で、テキサス石油界の巨人でもあるモンティ・ミラーを演じているのは『MAD MEN マッドメン』でゴールデングローブ賞(ドラマシリーズ部門)とプライムタイム・エミー賞で主演男優賞に輝いたジョン・ハム。超富裕層ならではのエレガントな立ち居振る舞いや上質なスーツの着こなしは、さすがの一言だ。
そして、モンティの妻キャミィ役には『The Substance(原題)』で第82回ゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞(コメディー・ミュージカル部門)に輝いたデミ・ムーアが扮(ふん)している。物語スタート時は数えるほどしか登場しないキャミィだが、最終話で一気にフォーカスされるので、デミ・ムーアファンは見逃せない。
トミーの子どもたちが紡ぐ、それぞれのロマンスからも目が離せない!
石油会社社長をはじめとする超富裕層と、現場仕事に従事せざるを得ない掘削員など、業界の光と影を鮮やかに映し出す社会派ドラマの本作。それと同時に、元妻や息子、娘といったトミーの家族の物語もしっかり描いている点も魅力の一つ。第1話で早々に学生アメリカンフットボール界のスターでもある彼氏に振られてしまった娘・エインズリーに訪れる新たな恋の予感や、息子クーパーと現場で起こった爆発事故が原因で命を落とした先輩の妻アリアナとの運命的な出会いなど、子どもたちのロマンスの行方にも注目だ。
社会的・環境的問題を抱えるアメリカの石油業界を舞台に、骨太の人間ドラマを鮮やかな切り口と美しい映像でつづる「ランドマン」。誰も予想し得なかった衝撃の展開と新キャラクターの登場で幕を下ろす最終話のエンディングまで、ビリー・ボブ・ソーントンら豪華キャストが描く人間模様の行方をその目で確かめてほしい。
文/中村実香