チャオルースー(趙露思)の破天荒なヒロインから目が離せない「星漢燦爛」【熊江琉衣】
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2026.04.08
ウー・レイ(呉磊)とチャオ・ルースー(趙露思)という若手トップ俳優同士の再共演で話題を呼んだ「星漢燦爛<せいかんさんらん>」。ディリラバ(迪麗熱巴)主演の「長歌行」に続くタッグということもあり、気になって見始めた一作でした。しかし、実際に触れてみると印象は一変。甘い恋愛だけでなく、主人公たちの成長やスリリングな展開、そして濃密な家族愛が絡み合い、想像以上に奥行きのある物語が広がっていたのです。

(C)2022 Tang Media Partners (China) Limited & Tang Media Pictures Shanghai Limited
スパダリな主人公を演じるウー・レイにドキドキ
ウー・レイは子役出身で、私が大好きなドラマ「琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~」では、主人公を護衛する少年役を演じていました。それだけに、本作で凛々しい将軍・凌不疑(リン・ブーイー)を演じる姿には、どこか成長を見守ってきたような感慨を覚えます。きっと同じ思いのファンは多いはずです。そんな彼が演じる凌不疑は、不器用ながらも強く、ひたすらにかっこいい存在。いわゆる"スパダリ"という言葉がぴったりの、理想の男性像を体現していて、その魅力に思わずドキドキさせられてしまいます。

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また、凌不疑は複雑な事情と秘密を抱えた人物ですが、その何かを秘めている雰囲気の表現が見事でした。言いたいことがあっても、想う相手を前にすると口にできない。そんなもどかしさまで丁寧に表現されていて、胸が締め付けられます。前半はどこか目つきが鋭く、少し怖さを感じる場面もあるのですが、彼の背景が明らかになるにつれて、その理由に自然と納得させられます。
物語は前半こそゆったりとしたテンポで進んでいきますが、凌不疑がひとたび登場すると、その存在感は圧倒的。特に、愛しい人を見つめる表情の美しさは格別です。本作の大きな魅力は、男女が想い合う瞬間を丁寧に描いている点にあります。視線やしぐさの細部にまで感情が宿っていて、まるでヒロインの気持ちを追体験しているかのような感覚に。気づけば、すっかり心を奪われていました。

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ヒロインを魅力的にするチャオ・ルースーの力
チャオ・ルースーは、多くの人が感じていると思うのですが、見ているうちに自然と引き込まれてしまう、ナチュラルな演技が魅力の俳優です。今回演じる程少商(チョン・シャオシャン)は、自分の考えをしっかり持ち、一度決めたことは曲げない芯の強い女性。そのため「ちょっと苦手かも」と感じてしまう瞬間すらあるのですが、不思議と目が離せません。賢さの中にある頑固さや不器用さ、そして純粋でありながらどこか愛情に飢えているような繊細さまで、丁寧に表現されています。こうした複雑な人物像を成立させているのは、やはりチャオ・ルースーの確かな演技力があってこそだと感じました。

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程少商というキャラクターは、これまでのドラマのヒロイン像とは一線を画しています。ときに計算高さも見せるその人物像が、むしろリアルで興味深いポイントです。古代中国を思わせる架空の時代が舞台ですが、登場人物たちの価値観はどこか現代的。中でも程少商は、いじめられてもただ耐えるのではなく、やられたらやり返す。時には"倍返し"するような強さを持っています。本来なら時代背景的に異質ともいえるその振る舞いが、現代の視点で見ると痛快で、思わず引き込まれてしまいます。頭の回転が速い一方で、少し破天荒な一面もある彼女。そんな程少商が、周囲との関わりの中で少しずつ成長し、賢く聡明な女性へと変わっていく過程も見どころです。

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濃密な人間ドラマを彩る魅力的なキャラクターたち
キャラクターそれぞれの個性が際立っているのも、本作の大きな魅力です。他のドラマと比べても、一人ひとりの人物像が丁寧に掘り下げられており、メインの主人公だけでなく、周囲の恋愛模様やその行く末までしっかり描かれています。全56話という長さも、そうした重層的なドラマを描くための必然であり、最後まで飽きさせません。
程少商は、凌不疑のほかに袁慎(ユエン・シェン)と楼垚(ロウ・ヤオ)という2人の男性からも想いを寄せられます。凌不疑からすればライバルが多すぎる状況な上に、その二人がいずれも美男子というのだから、見ている側としてはまさに眼福です。それぞれにしっかりとした魅力があるのもポイント。袁慎は独善的な一面を持ちながらも、どこか不器用なツンデレタイプ。一方の楼垚は、少し頼りなく映る部分もありつつも優しさにあふれた人物です。彼と恋をするならドラマチックというよりは、ほほ笑ましい"おままごとのような関係"になるかもしれません。でも、そんな穏やかな幸せも悪くないと思わせてくれるキャラクターでした。

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そんな中で、物語の鍵を握る存在として印象的なのが皇后です。凌不疑が皇帝の義理の息子として育ったことから、程少商は宮中で暮らすことになります。幼い頃に両親と離れ、再会後も母から厳しく接されてきた彼女にとって、皇后は心を許せる特別な存在。実の母以上に素直になれる相手でもあります。権力者でありながら誰よりも思いやりにあふれ、その言葉で人を導く皇后の姿は、この物語における理想的な大人像ともいえます。程少商が彼女との関わりを通じて気づきを得ていく過程も見どころの一つで、人は出会う相手によって変わっていくのだと感じさせられます。

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タイトルを読み解くことで見えてくる物語の奥行き
程少商の痛快な"倍返し"にスカッとしつつ、凌不疑が助けに入る場面には思わず胸が高鳴るなど、本作には少女漫画のようなときめきもしっかり詰まっています。さらに、凌不疑を巡るミステリーや陰謀、程少商の家族問題など、多彩な要素が重なり合い、単なる恋愛ドラマにとどまらない奥行きを生み出しています。中国時代劇としての見応えも十分で、幅広い楽しみ方ができる作品だと感じました。私自身は、チャオ・ルースーとウー・レイという2人に惹かれて見始めたのですが、物語を追ううちに家族愛や人との関わりの大切さなど、さまざまな気づきを得ることができました。

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そして印象的なのが、「星漢燦爛」というタイトルの意味です。この言葉は古典に由来し、天の川がきらめく壮大な宇宙の景色を表しています。そのイメージの通り、本作では登場人物それぞれが星のように輝きながら、自らの運命を切り開いていく姿が描かれているように感じました。物語の終盤には、そのタイトルの意味がふっと腑に落ちる瞬間があります。作中で語られる「男が太陽なら、女は星」という言葉のように、それぞれが光を放ちながら支え合い、道を切り開いていく。そんな人生のあり方を示しているのかもしれません。
【プロフィール】
熊江琉衣(くまえ・るい)
中国・四川省出身のモデル、タレント。「チャイナ娘くまちゃん」の名前でYouTuberとしても活動し、中国語講座や中国の生活や文化などについての情報を発信している。





