バイルー(白鹿)が魅せる自ら運命を切り開くヒロイン像の到達点「白月の誓い」
韓国・アジアドラマ 日本初見放題
2026.03.03
2016年のデビュー以降、着実にキャリアを重ね、いまや中国ドラマ界を代表する存在となったバイ・ルー(白鹿)。バラエティー番組ではさっぱりとした人柄で親しまれ、飾らない笑顔を見せる一方、作品の中ではまったく別人のように役へと没入する。そのギャップこそが、彼女のスター性を際立たせてきた。

「白月の誓い」
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繊細な感情表現で積み上げる、一途な愛と信念
そんな彼女の現在地を示すのが、日本初放送となるファンタジー時代劇「白月の誓い」だ。本作で演じるのは、城主の娘・白爍(はく・しゃく)。人族・妖族・仙族が存在する幻想世界を舞台に、愛と復讐(ふくしゅう)、そして宿命に翻弄(ほんろう)されながらも前を向いて生きる女性である。
物語は、幼い頃に妖怪に襲われた白爍が神仙に救われる場面から始まる。恩を返すため仙人修行に励む純粋な少女だった彼女は、やがて妖族の梵樾(ぼんえつ/演:アオ・ルイポン)と出会う。仙族の神物"無念石"を巡る陰謀に巻き込まれ、父の死という過酷な現実に直面したことで、彼女の運命は大きく変わっていく。

「白月の誓い」
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無邪気な憧れを抱いていた少女が、深い悲しみを知り、復讐を誓い、それでもなお愛を選ぼうとする――。その心の変化の一つひとつを、バイ・ルーは繊細な感情表現で積み上げる。慟哭(どうこく)する場面では胸を締めつけ、凛(りん)と前を向くまなざしには揺るがぬ強さが宿る。甘いロマンスだけでは終わらない、芯の通ったヒロイン像がここにある。

「美人骨〜前編:周生如故〜」
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時代を問わず、自らの道を選び取る女性を好演
バイ・ルーのヒロイン像を語る時、外せないのが「美人骨」だ。前世と現世をまたぐ壮大な愛を描いた本作で、彼女は2つの時代を生きる女性を演じ分けた。前編では、名門の娘でありながら心に傷を抱え、言葉を発することができない漼時宜(ツイ・シーイー)を好演。多くを語らずとも、視線やしぐさで思いを伝える姿は見る者の心を打った。愛する人を思うがゆえに選んだ壮絶な決断は、「美しすぎる衝撃のラスト」と評される余韻を残した。
一方、後編では現代に転生し、自立した声優として生きる時宜を演じる。過去の記憶をかすかに宿しながらも、現世では自らの意志で愛を選び取る女性へと成長していく姿は、前編のラストを知る視聴者にとっていっそう胸に迫るものだった。

「始まりは君の嘘」
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また、現代劇「始まりは君の嘘」では、敏腕記者ジョン・シューイーを演じ、新たな一面を見せている。投資会社社長シー・イエン(演:ワン・ホーディー)と火花を散らす知的な駆け引きは、これまでの宿命的ロマンスとは異なる現代的な魅力を放った。仕事に誇りを持ち、失恋の痛みを抱えながらも前へ進む姿は、多くの視聴者に勇気を与えた。ここでも彼女が演じるのは、ただ守られる存在ではなく、自ら道を切り開く女性だった。
弱さと凛々しさが同居する、唯一無二の存在感
こうして振り返ると、バイ・ルーが一貫して体現してきたのは"運命を切り開くヒロイン"であることが分かる。時代や設定が変わっても、彼女の演じる女性たちは決して受け身ではない。愛に傷つき、理不尽な宿命に翻弄されながらも、自らの意志で立ち上がる。

「白月の誓い」
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「白月の誓い」における白爍もまた、その系譜に連なる存在だ。復讐という重いテーマを背負いながらも、憎しみに飲み込まれることなく、愛と信念を手放さない。その姿には、これまでの役で培われてきた感情表現の深みが凝縮されている。
凛としたまなざし、ふと見せる弱さ、そして誰かを想う時の柔らかなほほ笑み。相反する感情を同時に宿すことができるからこそ、バイ・ルーのヒロインは立体的でリアルだ。日本初放送となる本作は、彼女の歩みを知るファンにとっても、初めて触れる視聴者にとっても、その魅力を再確認できる一作となるだろう。
文/神野栄子




