タンジェンツー(檀健次)が美女に一目ぼれ!「FILTER 私と彼の複雑な事情」ほか日本初放送の中国ドラマ2選

タンジェンツー(檀健次)が美女に一目ぼれ!「FILTER 私と彼の複雑な事情」ほか日本初放送の中国ドラマ2選

中国ドラマには、日本や韓国とは一線を画す独自の魅力が際立っている。宮廷ドラマの豪華な美術セット、世界トップクラスのCG技術を駆使した壮大なファンタジー、映画さながらのスケール感----その表現力は年々進化を続けている。さらに近年は俳優陣の実力が一気に花開き、国際的な注目を集めるトップスターも続々と台頭。今回は、そんな勢いあふれる中国ドラマの中から、日本初放送の話題作を厳選して紹介する。

宮廷ドラマにサスペンスをミックスした「掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~」

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まず注目したいのは、チャンネル銀河で1月5日より放送される「掌心(しょうしん)~宮廷に響く復讐の鈴音~」。2025年に中国で配信された全30話のサスペンス時代劇で、陰謀と愛憎が幾重にも絡み合う緊張感が魅力だ。物語の主人公は、催眠術と読心術を操り"心医"を名乗る女性・葉平安(ようへいあん)。彼女は高官殺人事件をきっかけに、貧しい身に生まれながら官吏へと成り上がった元少城(げんしょうじょう)と手を組む。世間から"妖術師"と恐れられる葉平安と、冷静沈着で野心家の元少城。対照的な二人が手を携えることで、18年前に仕組まれた冤罪(えんざい)事件の闇が少しずつ浮かび上がっていく。陰謀の中で真実を追い求める、壮大な復讐劇が展開される。

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物語の舞台となるのは、架空の王朝時代。政情は揺れ動き、"夢"さえも権力闘争の道具として利用される不穏な世の中で、人々は眠ることすら恐れていた。その混乱の中に姿を現すのが、"心医"を自称する葉平安。心の病を癒やすとうたいながらも、その神秘的な術ゆえに庶民からは"妖術師"と恐れられ、疎まれる存在だった。一方、貧民街出身の役人・元少城は、冷徹なまでの野心と鋭い頭脳を武器に、出世の機会を虎視眈々と狙っていた。そんな折、高官・鄭元(ていげん)が殺害される事件が発生。葉平安は容疑者として捕らえられ、尋問官を務めたのが元少城だった。彼は無実を訴える彼女の言葉に耳を貸さず、葉平安は死刑寸前の窮地に追い込まれる。

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しかし皇帝の前に引き出された彼女は、元少城の"夢"を見抜いてみせ、その力で皇帝の興味を引くことに成功。命を救う代わりに真実の証明を命じられ、元少城と不本意ながらも協力関係を結ぶことになる。二人が捜査を進める中で、事件の背後には権力者・杜梁(とりょう)による汚職と陰謀が潜んでいることが明らかに。しかし、高官殺害事件は序章に過ぎなかった。葉平安が追っていた本当の目的、それは18年前に起きた"ある冤罪事件"の真相を暴き、過去の因縁に決着をつけることだった――。

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緊迫感あふれるサスペンス展開で話題を集めた本作は、中国でドラマの人気指標となる「熱度ランキング」で1位を獲得するほどの大ヒット作。先の読めないストーリーに加え、事件の裏側に潜むドラマチックな人間模様や、複雑に絡む愛憎関係を丁寧に紡ぎ上げた脚本が高い評価を得た。宮廷ドラマならではの重厚な権力闘争に、復讐劇のスピード感を融合させた構成はテンポ抜群。"心医"であるヒロインが知略を武器に宮廷の闇へ踏み込む姿は、中国ドラマならではの醍醐味(だいごみ)だ。さらに豪華なセットや衣装が作品全体の世界観を力強く支え、没入感を一層高めている。緻密に張り巡らされた伏線、こだわり抜かれた美術と映像表現は圧巻で、日本や韓国、欧米作品とは一味違う新鮮な魅力を存分に味わわせてくれる。

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ヒロインの葉平安を演じるのは、「宮廷女官 若曦(じゃくぎ)」の大ヒットで一躍トップスターとなったリウ・シーシー(劉詩詩)。気品ある美しさはもちろん、鋭い知性で真相に迫る聡明(そうめい)さや、復讐に燃える芯の強さまでを繊細に表現し、作品の中心として圧倒的な存在感を放っている。相手役・元少城を務めるのは、「楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~」で知られる実力派ショーン・ドウ(竇驍)。力強さと冷徹さを併せ持つ野心家を、人間味たっぷりに熱演し、物語に深みを与えている。

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殺人事件、冤罪、汚職といったサスペンス要素に、宮廷ドラマならではの重厚な世界観が絶妙に融合した本作は、ミステリー好きにも存分に刺さる仕上がり。王道でありながら新鮮味を感じさせる展開、華のある主演コンビ、豪華キャスト、そして職人技のスタッフワーク。ビジュアル・演技力・演出のすべてに華流ドラマの魅力が凝縮された一作で、本格派サスペンスを求める人に刺さるだろう。

豪華2大俳優が共演したラブコメディー「FILTER 私と彼の複雑な事情」

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そして、1月18日から女性チャンネル♪LaLa TVで放送される「FILTER 私と彼の複雑な事情」にも注目。主演を務めるのは、人気俳優タン・ジェンツー(檀健次)と、今まさに旬の実力派女優リー・ランディー(李蘭迪)。姿を自由に変えられる不思議な腕輪を手に入れたヒロインを軸に描く、ユニークな発想のファンタジー×ラブコメディーだ。脚本を手がけるのは、「長相思」で知られる人気女性作家トン・ホワ(桐華)。同作で大きく飛躍したタン・ジェンツーが再び主演を務めることでも大きな話題に。ヒロインには、かつて天才子役として注目され、「宮廷の茗薇~時をかける恋」「流水舞花~遥かなる月落城~」などで活躍してきたリー・ランディーを抜てき。本作は、2025年に中国で配信開始直後から瞬く間に人気を集め、4月時点で再生数6億回を突破。2025年上半期のコメディー系ネットドラマ「熱度ランキング」で第1位を獲得したメガヒット作となった。

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物語のヒロインは、容姿に自信が持てず、将来にも悩みを抱える蘇橙橙(スー・チョンチョン)。運動神経抜群で力自慢ながら、就職はなかなかうまくいかず、日々もがいていた。そんなある日、彼女は"フィルターブレスレット"と呼ばれる不思議な腕輪を手に入れる。外見や声、服装まで自在に変えられる魔法のような力を持つアイテムだ。蘇橙橙はその力を使い、「絶世の美女」「研究者」「漫画キャラ風の少女」など、さまざまな"別人"へと変身し、刺激的な世界へ飛び込んでいく。やがて彼女は、かつて失恋した相手でもある化粧品会社の経営者・唐奇(タン・チー)と再会。変身後の美女の姿で彼の会社への就職まで果たすと、唐奇は蘇橙橙の"偽りの姿"に一目ぼれしてしまう。モデル起用に向けてアプローチを仕掛ける彼に対し、蘇橙橙は正体を隠したまま"一人二役"を演じ続けることに----。

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外見コンプレックスやルッキズムを真正面から描きつつ、笑って泣ける軽快なテンポで紡がれる本作。ファンタジックな設定とロマンチックな駆け引きが絶妙に絡み合う、ラブコメ好きには見逃せない一作だ。恋する男性に"正体"を明かせないまま、変身後の"美女"として接する一方で、素の自分には冷たくされてしまう。そんな複雑な状況の中で繰り広げられるコミカルなドタバタ劇と、揺れ動く蘇橙橙の心情を繊細に演じ切るリー・ランディーの表現力が大きな見どころだ。彼女が「本当の自分らしさとは何か」「本当の美しさとは何か」を見つめ直す場面は、ルッキズムを扱う本作の核となるテーマに深く踏み込んでいる。

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タン・ジェンツーは、ヒロインに思いを寄せられるクールなイケメン役を魅力たっぷりに好演。端正なビジュアルだけでなく、細やかな心情の変化を丁寧にすくい取った演技が高く評価されている。ヒロインの"変身"に惹かれたり、不自然さに疑念を抱いたりする複雑な男心を巧みに表現し、混乱や葛藤、驚き、苛立ちなど多彩な感情を自然体で演じ分ける姿は必見だ。一方、ヒロインを演じるリー・ランディーは、容姿へのコンプレックスを抱えながらも天真らんまんで前向きなキャラクターをチャーミングに体現。変身前の姿も十分にかわいらしいため、コンプレックスへの共感度がやや薄いという指摘もあるが、それを補って余りある表情の豊かさとエネルギッシュな芝居が光る。ふと見せる切ない表情が視聴者の心を強く捉え、多くのファンをとりこにしている。

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ビジュアルの鮮烈さと高い演技力を兼ね備えたキャスト陣に支えられ、ワンランク上のラブコメ現代劇として中国で大ヒットした本作。日本の視聴者にも非常に見やすく、ラブコメ好きはもちろん、ファンタジー要素のある成長物語を楽しみたい人にもオススメだ。

文/渡辺敏樹

放送日時:2026年1月 5日 23:00~

チャンネル:チャンネル銀河

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