イ・ジュニョクに癒やされる!大人女子必見のお仕事ドラマ「わたしの完璧な秘書」
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2025.09.03
「キム秘書はいったい、なぜ?」「恋愛ワードを入力してください~Search WWW~」「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」など韓国ドラマの新定番となりつつある"お仕事ドラマ"。新たなお仕事ドラマとして、2025年上半期に大ヒットしたのが「わたしの完璧な秘書」だ。本作が愛された理由を、本作をきっかけに大ブレークを果たしたイ・ジュニョクの魅力とあわせてひも解いていく。
左からハン・ジミン、イ・ジュニョク
(C)SBS
■イ・ジュニョクが魅力的な「ケア男子」に
「わたしの完璧な秘書」は、仕事だけできるCEOと仕事も育児も家事も完璧な秘書のラブストーリーである。こう書くと、どちらが男性か女性かわかりづらいが、CEO役をハン・ジミン、秘書役をイ・ジュニョクが演じている。つまり、いつもの韓国ドラマとは男女が逆転しているのだ。
ハン・ジミン
(C)SBS
イ・ジュニョク
(C)SBS
物語は、ヘッドハンティング会社「ピープルズ」の敏腕CEOのジユン(ハン・ジミン)のところに、新たな秘書としてウノ(イ・ジュニョク)がやってくるところから動き出す。ある出来事からウノに反感をもっていたジユンは、当初は冷たくあしらうが、あまりに完璧に補佐するウノに次第に心を開いていく。
大枠はオーソドックスなラブストーリーだが、さまざまな設定や展開が男女逆転というところが効いている。CEO室は散らかり放題で、迎えの車さえ覚えられない、仕事以外は徹底的に無頓着なジユン。そんな彼女をウノはさりげなく先回りして、そんな彼女を完璧にケアするのだ。
(C)SBS
仕事も家事もすべて担っている女性もいるが、1人で何でも背負える女性ばかりではない。得意とするところは人によって違う。本作は「ヒーリングケアロマンス」と呼ばれるように、忙しい女性こそ見ると癒やされる一作なのである。
これまで韓国ドラマ界では、こうしたヒロインを支える男性のことを「見守り男子」「サポート男子」などと呼んだりしていたが、ウノの場合はまさに「ケア男子」。本作の大きな見どころは、そんなケア男子に見事に扮(ふん)してドラマの立役者となったイ・ジュニョクだろう。ウノは整理整頓が得意で、記憶力に秀でており、スケジュール管理も完璧。気遣いやマナーにも長けていて、秘書のかがみのような人物だ。また、父親としての姿も大きな魅力。一人娘をこよなく愛し、育児も家事もこれまた完璧にこなす。近所の奥様方にも人気のお父さんだ。
(C)SBS
大ヒットドラマ「秘密の森」のスピンオフ作品「良いが悪い、ドンジェ」のドンジェ役も当たり役だったが、今回もそれに勝るとも劣らないハマりぶりといえるだろう。スイートな魅力から、温かい眼差し、コミカルな愛嬌まで発揮し、視聴者の目をくぎ付けにする。ちなみに本人の語ったところによると、キャラクターとのシンクロ率は50%だとか。今まで演じてきたどの役よりも話すトーンが近く、言葉遣いも似ているという。
(C)SBS
■2人のケミはもちろん、脇を固めるキャラクターも魅力的
そんなイ・ジュニョクの相手役を務めたのは、数々のラブストーリーのヒロインを努めてきたハン・ジミン。2人のケミ(ケミストリーのこと)もまた素晴らしい。40代とは思えない透明感あふれるイメージをもつ2人。雇い主と秘書であるウノとジユンは、お互いの距離に悩みながらも、やがて秘密の社内恋愛に発展していくが、生々しくならずどこまでも爽やかなのは、イ・ジュニョクとハン・ジミンが演じているからだろう。
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一線を保とうと努めても、どうしてもウノの姿を目で追ってしまい、仕事に手がつけられなくなるジユン。本作は大人のラブストーリーながらも、そんな恋が始まるシーンもときめきたっぷりだ。なかでも、光化門の前の横断歩道からの初キスシーンは名場面。韓国ドラマ界で語り継がれていくこと間違いなしだ。
さらに、2人の脇を固めるキャラクターも魅力的である。ウノに片想いするシングルマザーのスヒョンと、ジユンに片想いする年下の御曹司ジョンフンは、かつての韓国ドラマならメインカップルの恋路を邪魔する設定になるところだが、本作ではほんわかした気分になる展開が用意され、最後まで楽しませてくれる。スヒョンを「ジョンニョン: スター誕生」のキム・ユネが、ジョンフンを「ムービング」のキム・ドフンが演じている。話題作に続々と出演する若手実力派が、これまでの作品とは違った肩肘張らない演技を見せ、物語にリアリティーを与えている。
キム・ドフン
(C)SBS
また、本作はヘッドハンティングの世界が垣間見られるのも面白い。人材を奪い合う殺伐とした世界かと思いきや、より良い人生のために人と人が関わる仕事として描かれるため、お仕事ドラマとしての楽しみも備えている。そんな職場の同僚たちも、実力派ぞろい。「広場」のイ・サンヒや「トリガー」のホ・ドンウォンら名バイプレーヤーの演技力も相まって、ヘッドハンターたちが次第に一致団結していくさまに思わず胸が熱くなる。
日常に疲れた心を、そっと包み込んでくれる「わたしの完璧な秘書」。そんなヒーリングケアロマンスに、きっとあなたも癒やされるはずだ。
(C)SBS
文/高山和佳