ソン・スンホンはなぜ愛され続けるのか?新旧ドラマ3選からひも解く唯一無二の魅力
韓国・アジアドラマ 日本初見放題
2025.08.03
ソン・スンホンは、数々の名作ドラマや映画で主演を務める、言わずと知れた韓国のトップスターだ。今年5月23日に神戸、24日に東京で、約1年ぶりとなるファンミーティング「Song Seung Heon Japan Premier 2025」を開催。今も変わらぬ美しい姿、ファンへの丁寧な対応に、多くのファンが魅了された。今も多くのファンに愛されるそのワケを、新旧の代表作3作から探る。
■アジア全域で人気を博した「秋の童話」と「夏の香り」
「秋の童話」 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved
スンホンが、アジアを席巻するきっかけとなった作品が「秋の童話」だ。本作は、日本に第一次韓流ブームをもたらした「冬のソナタ」と同じ四季シリーズの一作。韓国では"冬ソナ"よりも高い人気を誇っている。
スンホンは、幼い頃に生き別れた血の繋がらない妹ウンソを捜す画家ジュンソに扮している。ウンソ役を演じるのは、「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」などで今も活躍する韓国のスター女優ソン・ヘギョだ。
物語は、ジュンソと仲睦まじく暮らしていた妹ウンソが、貧しい家の子だったことが発覚し、兄妹が離れ離れになるところから大きく動き出す。2人が幼い頃の郷愁あふれるシーン、今はあまり見ないヒロインの悲劇的過ぎる設定、韓流四天王のウォンビン演じるホテル財閥の息子テソクとの三角関係など、見どころはたくさんあるが、何といっても目を引くのは、ジュンソとウンソの禁断の恋だ。
「秋の童話」 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved
最近のスンホンというと、男っぽさと大人の色気が漂っているのが魅力だが、本作のジュンソは繊細なアーティストという役どころ。血の繋がらない妹ウンソを思い続けるジュンソを、時に静かに時に情熱的に演じているのが印象的である。韓ドラ界伝説のラストシーンを見れば、スンホン演じるジュンソの姿が心に刻み込まれること間違いなしだ。
四季シリーズは4作品あるが、「秋の童話」「冬のソナタ」に続く3作目として制作された「夏の香り」にもスンホンは主演している。本作への出演が、スンホンの日本での人気に拍車をかけた。
「夏の香り」 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved
本作で演じたのは、亡くなった恋人を忘れられないアートディレクターのミヌ。そんな主人公と夏の山で運命的に出会うヒロインのヘウォンを、「愛の不時着」など多くのヒット作をもつソン・イェジンが演じる。ヘウォンは、幼い頃から心臓が弱かったが、心臓移植をして今はフローリストとして働いていた。
ミヌは、ヘウォンに対して不思議な想いを抱く。ヘウォンの言動に亡くなった恋人の面影を感じるのだ。一方、ヘウォンも、ミヌを見るとなぜか心臓の鼓動が早くなる。2人はいったいどんな関係にあるのか......?
スンホンが演じるミヌは、「秋の童話」と同様にいわゆる芸術家だが、ジュンソとはまったくイメージが異なる。明るく染めた長めのヘアに色鮮やかなファッション。40代になっても変わらぬ容姿のスンホンだが、今とはまた違った青年らしい魅力に満ちている。
「夏の香り」 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved
本作は、そんなスンホンと、"国民の初恋"と呼ばれていたソン・イェジンの共演も大きな見どころだ。四季シリーズ初のファンタジー要素が入った純愛ドラマだが、夏の風景に浮かぶ美しい2人のシーンは一見の価値がある。特に雨のシーンが象徴的で、余韻のあるラストシーンは韓ドラ随一だ。
■新しい姿を見せてくれた「プレーヤー ~華麗なる天才詐欺師~」
ラブストーリーで名を馳せたソン・スンホンだが、元祖イケメン俳優としての地位を維持しながら、精力的に新しいジャンルにも挑戦している。昨今は、クライムサスペンス「ボイス4~112の奇跡~」で敏腕刑事を、SFアクションドラマ「配達人 ~終末の救世主~」で強烈なヴィランを熱演した。
そんな近年の作品の中でも特に強い印象を残したのが「プレーヤー ~華麗なる天才詐欺師~」だ。本作は、天才詐欺師、ドライバー、ハッカー、ファイターが手を組み、悪党が不正に稼いだ金を奪う痛快アクション詐欺劇。韓国内外で人気を博し、2024年には続編「プレーヤー2〜彼らの戦争〜」も制作された。
「プレーヤー ~華麗なる天才詐欺師~」 (C) STUDIO DRAGON CORPORATION
スンホンは、本作で端正なルックスと巧みな話術で人をだます詐欺師ハリ役を演じている。真っ白なスーツや真っ赤なスーツをあれほどカッコよく着こなせる40代もそういないだろう。優しい口調で女性を口説いたかと思えば権力者を鮮やかにやり込めたり、華麗なアクションを見せたかと思えば全力疾走で逃げ回ったり......。さまざまな表情を披露してドラマを盛り上げている。
それぞれの分野で最高の実力をもつ4人で結成された詐欺集団のおバカに見えて抜け目ないチームプレーも見逃せない。当初はバラバラだった4人が、次第に絆を深めていく展開にも胸が熱くなる。普段は後輩想いで兄貴肌的な性格といわれるスンホンの素顔が垣間見られるようだ。
そんなスンホンの現在の姿を見ることのできる『<独占放送>ソン・スンホンJapan Premier 2025』が、8月9日(土)にテレ朝チャンネル1で放送される。衰え知らずの容姿を誇りながらも円熟味を増したスンホンの魅力をぜひチェックしてほしい。
文/高山和佳