チャオ・ルースー(趙露思)が恋する妹に!「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」が描く初恋の行方
2025.07.17
中国の"ラブコメ女王"として人気を誇る若手トップ女優、チャオ・ルースー(趙露思)が主演を務める青春ラブロマンス「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」。女性向け小説サイト最大手「晋江文学城」で人気を博した原作を実写化し、配信後は連日YOUKU熱度指数1万超えをするなど、数々のランキングで1位を獲得した話題作だ。物語は、兄の友人にひと目ぼれした少女が、大人へと成長しながら恋を実らせていく姿を繊細に描く。
チャオ・ルースーのキュートな魅力全開!
男女問わず思わずキュンとしてしまう笑顔の持ち主、チャオ・ルースー。"ラブコメの女王"と称される彼女だが、本作ではコメディー要素は控えめ。それでも、彼女ならではのキュートな魅力が、恋にときめく瞬間や戸惑い、切なさ、そして喜びといった感情を引き立てている。
チャオ・ルースーが演じるのは、ヒロイン・桑稚(サン・ジー)。物語は、彼女が中学2年生の時から始まり、序盤は子役が担当し、チャオ・ルースーは高校生になった桑稚から演じている。1998年生まれで現在26歳の彼女だが、本作の撮影時(2022年)は23〜24歳にもかかわらず、あどけなさの残る高校生の空気感を自然にまとい、視聴者を惹きつける。
桑稚が中学2年生の時、大学生の兄の友人・段嘉許(ドワン・ジアシュー)の、まぶしいほどのイケメンぶりに一瞬で目を奪われる。当時は、まだ恋という感情をはっきりと理解していなかった彼女だが、高校生になって嘉許と再会し、その思いが特別な感情だったと気づく。
しかし、嘉許は兄の友人であり、自分はまだ高校生。学業に励むべき立場として、桑稚はその恋心を胸の奥にしまい、妹のような距離感で接しようと努めるが、隠してもあふれ出てしまう気持ち。嘉許をそっと見上げる上目遣い、隠し撮りがバレた時の泳ぐ視線、優しくされて思わず上がる口角、恋心を悟られまいと唇をキュッと結ぶ姿――どれもが、彼女の真っすぐな思いを映し出していて、たまらなく愛らしい。
切なくもいとしい2人の恋模様が加速する!
嘉許を演じるチェン・ジャーユエン(陳哲遠)は、男性アイドルグループのメンバーとしてデビュー。俳優としても着実にキャリアを重ね、ドラマ「君に秘密を届けたくて」や「私の悪役彼氏」などで注目を集めている。また、映画『唐人街探偵 東京MISSION』では、妻夫木聡の弟役を好演し、存在感を放った。
ヒロイン・桑稚を演じるチャオ・ルースーが、誰からも愛される理想の妹感をまとう一方で、チェン・ジャーユエンは誰もが憧れる、さわやかで完璧なイケメンを見事に体現。そんな2人が織りなすロマンスは、眼福であると同時に、楽しさやときめきだけでなく、すれ違いによる切なさも繊細に描かれ、自然と引き込まれてしまう。
嘉許は、親友の大切な妹として桑稚に優しく接する。しかし、かがんで目線を合わせて話したり、そっと頭をなでたりと、無意識に繰り出される"反則技"の数々は、片思い中の桑稚にとっては胸が高鳴るばかり。そんなさりげない優しさが、ますます彼女の思いを募らせていく。
「恋には障害がつきもの」とは、誰の言葉だっただろうか。本作でも、桑稚と嘉許の恋は決して順風満帆ではない。嘉許は家庭の事情を抱えており、それが2人の関係に暗い影を落とす。そして、大学を卒業した嘉許は、生まれ育った地へ戻ることに。2人の距離は、心だけでなく物理的にも離れていく。そんなすれ違いの切なさが頂点に達するのが、第7話の空港のシーン。互いの思いが交錯する瞬間は、涙なしでは見られない。
ヒロインの兄の存在が物語のスパイスに!
いとしくて甘酸っぱい桑稚と嘉許の恋模様に、絶妙な笑いと感動を添えてくれるのが、マー・ボーチエン(馬伯騫)演じる桑稚の兄・桑延(サン・イエン)の存在だ。桑稚と桑延の兄妹げんかは、ついクスッと笑ってしまうかわいらしさであふれており、チャオ・ルースーが"ラブコメの女王"と称されるゆえんでもある、軽やかな掛け合いが楽しめる。一方で、普段はそっけない態度を見せながらも、実は妹を溺愛している桑延の姿にキュンとする。
そんな兄と嘉許に見守られながら、少しずつ成長していく桑稚。恋を知り、愛を知り、今度は自分が守ってあげたいと思いを抱く凛(りん)とした大人の女性に。物語後半では、恋が実った桑稚と嘉許の甘く幸せなシーンがたっぷり描かれる一方で、新たな試練や涙を誘う展開も待ち受ける。チャオ・ルースーは、かわいらしさだけでなく、一人の女性として成長していく桑稚の内面を繊細に表現し、視聴者を物語の世界へ深く引き込む。初恋の甘さも、切なさも、戸惑いも――全てが丁寧に紡がれた本作は、誰の胸にもある"かつての気持ち"をそっと思い出させてくれる。
文/神野栄子