チソン、キム・ソナらの演技が光る韓国＆中国のミステリー・サスペンスドラマ4選

2025.06.28

近年の日本では考察ブームの高まりからミステリー・サスペンス作品が人気だが、アジア圏でも同じく盛り上がりを見せている。そのブームに合わせるように多彩で質の高い作品が制作され、人気に拍車がかかる中、今回は、韓国と中国のドラマから4作品を紹介。時代劇と現代劇、またテーマやカラーも異なる世界を堪能してみて。

■コネクション

「コネクション」　(C) SBS

「被告人」「医師ヨハン」などで知られる実力派チソンの最新主演作が「コネクション」だ。チソンが演じるのは、活躍を評価されて昇進したばかりの麻薬捜査官チャン・ジェギョン。ある日、目が覚めたら強制的に薬物中毒状態にさせられていたというショッキングな出来事から物語が幕を開ける。自制心を保とうとしてもできずに薬物を求めてしまう迫真の演技に感心しながら、ジェギョンの高校時代の親友の謎が絡み合う韓国ドラマらしい骨太なストーリーにくぎ付け。そんなジェギョンに、ある理由から協力することになるのが、「賢い医師生活」でブレークしたチョン・ミド演じる女性記者オ・ユンジン。特ダネのためには汚い手も使う"ゴミ記者"になってしまっていた彼女の秘密にも注目だ。

■コッソンビ熱愛史

科挙(※役人になるための試験)を受ける士人専門の宿、二花院を営む若き女主人ダノ(シン・イェウン)と、彼女の宿に滞在することになったカン・サン(リョウン)、チョン・ユハ(チョン・ゴンジュ)、キム・シヨル(カン・フン)という4人が繰り広げる青春時代劇。それぞれが秘密や使命を抱える中、現国王の兄の息子イ・ソルの行方を巡るミステリーが展開する。卑劣な手段で王座についた国王が、自分の地位を脅かす存在として恐れるイ・ソル。二花院に泊まる3人の若者の中に実はイ・ソルがいるのかなど、王位の陰謀にまつわるドキドキと、ダノたちがその間に見せるロマンスにもドキドキ。シリアスなミステリー部分とキュンとするロマンスに、コミカルさもあって、ぐんぐんと引き付けられていく。

■The Empire：法の帝国

韓国ドラマといえば、ドロドロ系もおなじみ。本作は、エリート法曹一家の隠されていた秘密が暴露されていくスキャンダラスサスペンスだ。トップ俳優のキム・ソナが、美しき主人公であるソウル中央地検の部長検事ヘリュルを務める。ヘリュルの父親は韓国を代表する法律事務所の代表弁護士で、母親は大学のロースクール院長、祖父は元最高裁判事、夫もロースクールの教授兼弁護士。さらに、息子はロースクールに通い、妹も判事など、一見、完璧に見える一族。しかし、第1話から欲望と裏切りが渦巻く見逃がし厳禁の人間模様の中、殺人事件が起き、一家に疑いが浮かび上がる。"正義"に携わるヘリュルら一家のドロドロぶりにあ然としつつ、二転三転する物語や秘密の真相などいくつもの驚きに包まれる。

■唐朝詭事録＜とうちょうきじろく＞-The Mystery of Kingdom-

『唐朝詭事録＜とうちょうきじろく＞-The Mystery of Kingdom-』　(C)BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.

中国・唐の時代を舞台にした捜査ミステリー。首都として栄える長安で起きる、ホラー味もある奇怪な事件に挑むのは、武芸に長けて優秀だがプライドの高い若き武官・蘆凌風(ろ・りょうふう)と、新たに長安県尉(※現代の警察に当たる官職)に就任し、優れた検視眼と頭脳を持つ蘇無名(そ・むめい)。物語はフィクションだが、蘇無名は実在した賢人・狄仁傑(てき・じんけつ)の弟子で、一方の蘆凌風は弟子入りを断られたという設定。そのため蘆凌風は蘇無名のことを妬んでいるという最悪な始まりから、次第に優れた者同士で最高の相棒になっていくのが胸を熱くする。蘆凌風をヤン・シューウェン、蘇無名をヤン・チーガンが演じる。

文／神野栄子