韓国を代表するカメレオン俳優、チソンの演技を堪能できるドラマ4選

韓国を代表するカメレオン俳優、チソンの演技を堪能できるドラマ4選

「オールイン 運命の愛」でイ・ビョンホンのライバル役を演じてブレークし、第一次韓流ブームの頃から日本でも高い人気を誇るチソン。映画にも出演しているが、やはりドラマでの存在感がずば抜けている。特殊な能力をもつ人物や特殊な環境に置かれた人物を演じることに長け、これまで数々のドラマをヒットに導いてきた。毎年年末に行われる韓国の地上波3局の演技大賞では、最高賞である大賞を2局で受賞している。

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その大賞を初めて獲得した主演作が「キルミーヒールミー」だ。チソンという俳優を知るためには外せない一作といえる。本作は、多重人格者の御曹司と新米精神科医のラブロマンス。「梨泰院クラス」のパク・ソジュンがヒロインの双子の兄役を演じているのも見どころだが、何といってもチソンの熱演にくぎ付けになる。

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チソンは多重人格者の主人公に扮し、主人格であるお人好しな御曹司のドヒョン、別人格の攻撃的な青年セギ、酒好きの中年男性フェリー・パク、自由奔放な女子高校生など、なんと7人のキャラクターを演じ分けているのだ。しかも、まったく性格の違うドヒョンとセギは、ヒロインと三角関係に発展していく。

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多重人格のキャラクターがそれぞれ個性豊かで人間味があり、見ているうちに愛着が湧いてくる。だが、主人格以外は、実際にはいないはずの人物(人格)である。序盤は笑いもたっぷりだが、中盤から思わぬ展開が待ち受けるのも本作の魅力。最後の最後まで見逃したくない一作だ。

さまざまなキャラクターを演じてきたチソンだが、「大風水」では知略に長けた人物を演じている。本作は、高麗末期から朝鮮王朝創成期までの激動の時代を舞台にした時代劇。朝鮮王朝の都・漢陽(現在のソウル)が、いかにして作られたのか。同時代を描いた作品は数あるが、風水という視点から建国の歴史が描かれているのが興味深い。主人公の複雑な出自、時代の転換期ならではの激しい権力争いなども物語を盛り上げる。

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その中でチソンは、のちに朝鮮王朝初代王となるイ・ソンゲを支え、風水の力で王座に導く神眼をもつ風水師チサンを演じている。ヒゲをたくわえ鎧を着た無骨な姿から麗しい官僚の姿まで、さまざまな様相のチソンが見られる本作。いわゆるフィクサー役であり、チソンの持ち味である情熱的な深い眼差しが最も活かされた役柄のひとつといえるだろう。イ・ソンゲを演じる「宮廷女官チャングムの誓い」のチ・ジニとの息の合った演技も見どころだ。

今回ご紹介する中で最も古い出演作である「ニューハート」は、2007年の作品で、チソンが除隊後初めて出演した一作だ。本作は"演技の神"の異名をもつ昨今のチソンの萌芽を感じ取ることができる貴重な作品でもある。

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師弟関係を描く医療ドラマは最近も人気だが、この作品もそんな一作である。舞台は、経営陣からはお荷物扱いだが、命に直結する必要不可欠な診療科である大学病院の胸部外科。そこで寝食を忘れて奮闘する医師たちの姿が胸を打つ。チソンが演じるのは、地方の三流医大出身だが、情熱だけは人一倍ある胸部外科のレジデントのウンソン。物おじすることなく師匠である胸部外科のスター医師とやり合ったり、患者を助けるためにどんな難題にもひるまず立ち向かっていくやんちゃな新人医師を、イキイキと演じている。その姿には、今のチソンにも通じる情熱がみなぎっている。18年前のドラマだが、チソンの熱演、スピーディーな展開、濃厚な内容で、今見ても没入感たっぷり。一度見始めたら止められなくなるだろう。

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最後にご紹介するのは、サスペンスの醍醐味がたっぷり詰まった2024年の作品「コネクション」。SBS演技大賞では、チソンは惜しくも大賞を逃したが、今年のドラマ賞や助演賞などを獲得。最終話は韓国で視聴率14.2%を記録したヒット作だ。

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物語は、麻薬捜査チームのエリート刑事ジェギョンが、突然拉致され薬物中毒にさせられるところから大きく動き出す。禁断症状が出始め、周囲にいつバレるかハラハラしながら、主人公は友人の謎の死の真相を追うことになる。その背景には、高校時代の同級生のつながりが見え隠れし......。とにかく脚本が緻密で、一瞬たりとも目が離せない。チソンは、薬物中毒の刑事を演じるにあたり、15キロ減量したという。どんよりと据わった眼、激しい息遣い、狂ったように暴れる姿。そのときの主人公の状態に合わせて表情や身体の動きを変え、鬼気迫る演技で見る者の心を捉える。最新作だからこそ見られるチソンの真価をじっくりと味わいたい。


文/高山和佳

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