キム・ナムギルが約2年ぶりに来日ファンミ開催!愛とユーモアに包まれた4時間をレポート
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2025.03.27
「熱血司祭」シリーズや「悪の心を読む者たち」といったドラマで人気を博す俳優のキム・ナムギルが、約2年ぶりとなる来日ファンミーティング「2025 KIM NAM GIL FANMEETING TOUR 'Road to Gil' in JAPAN」を開催。今回は2月24日に埼玉・大宮ソニックシティ大ホールで行われた公演の模様をレポートする。
上下ともに黒の衣装でシックに決めたキム・ナムギルは、1曲目として米津玄師の「Lemon」を披露。深く響く低音から艷やかなハイトーンまでを駆使し、叙情的に歌い上げる。割れんばかりの拍手を浴びたナムギルは「お元気ですか」と茶目っ気たっぷりの日本語で挨拶し、客席を埋めたファンたちに「一番遠くから来た方は?」「明日どうやって帰るんですか? 飛行機?」と優しく語りかけた。
ひとしきりファンとの交流を楽しんだナムギルは「次に歌うのは、恋しく思う人に送る曲です」と前置き、韓国のバンド・NELLの「Four Times Around the Sun」を披露。「僕の大好きな人が天国に召された時に聞いた曲で、皆さんにも聞いていただきたいなと思いました。僕が皆さんと一緒にいて楽しく幸せに過ごしている姿を見て、僕が恋しいと思っているその人もきっと喜んでいると思います」と、曲に込めた思いを明かした。
MCの古家正亨が登場し、しばしトークタイムへ。ナムギルは事務所の代表と共にバイクに乗るための服を買いに行ったと話し始め「そこの店員さんたちが漫画から出てきたような髪型で威圧的な態度だったんですが、ハン代表が僕に服を買ってくれて帰る時に店員さんたちが『あざす』と言ったんです。事務所の方から『ありがとうございます』の短縮形だと説明してもらって、僕も『あざす』と言っていたんですが、あなたは短縮しちゃダメだと言われました」というエピソードを語り、笑いを誘った。
存分にエンジントークを満喫したところで、未公開写真を披露するコーナー「ROAD TO GILMOGRAPHY」がスタート。愛猫タムタムのかわいらしい写真を披露すると「タムタムは写真を撮られるのが好きではないんです。長いこと家を空けているとタムタムのことを呼んでも素通りされるんですが、1カ月にわたって名前を呼んであげたり世話をしたり、そうしてようやく撮れた写真がこれなんです」と説明し、自身のほうを振り向くタムタムのモノマネまで披露した。
続く「熱血司祭2!胸キュン名場面BEST 5」のコーナーでは、「熱血司祭2」の名シーンについてトーク。女装したシーンについて「元はもっと化粧が濃かったんですが、その状態でお手洗いに行ったらスタッフさんにびっくりされたんです。それで結局ナチュラルなメイクになったんですが、次回はもっと美しくしたいですね」と女装へのこだわりを披露。シリーズを通じての感想を尋ねられると、「シーズン2は簡単ではありませんでした。韓国でシリーズものを撮るなら一気にやらないといけないので大変なんです。熱血司祭のシーズン2はキャストを集めるのに5年かかりました」と苦労を明かした。
次のコーナーは、ナムギルの本音に迫る「ROAD TO CHOICE」。「一生ラブロマンスだけを撮るか、一生アクションだけを撮るか?」では、「これは精神的に大変か肉体的に大変かの選択ですね」と苦笑しつつ、「次の作品は何がいいかなら選べると思います。ラブロマンスがいいです」と回答。
「話を静かに聞いてくれるが反応が薄い人と、リアクションはいいが途中で自分の話をしてくる人。より我慢できないのは?」という質問には、「反応がない人が嫌ですね。うちの母親みたいなので」と答えたナムギル。「母は本当に物静かで、僕がいろいろと話していても『わかったから静かにして』と言われるんです。でもスタッフさんに相対する母は、家ではありえないくらい親切なんですよ。僕は父から『お前が演技をしているのは母親似だな』と言われました」と話し、会場を笑いに包んだ。
続いては、ナムギルの音楽の好みに迫る「GILPOTIFY」のコーナー。ボーカルトレーナーのキム・ミンソク氏を交え、公演セットリストの候補曲について語っていく。Adoの「うっせぇわ」について、ナムギルが「米津玄師さんもそうだと思いますが、旋風を巻き起こす歌手に興味があります。パフォーマンスもいいですしね」と語ると、キム・ミンソク氏は「最初にAdoさんのMVとライブ映像を見せたんですが、ナムギルさんが『これだ!』とおっしゃって......(苦笑)。型破りな歌手の曲をよく聞かれていますね」と話した。
候補曲の中には映画『冷静と情熱のあいだ』の挿入歌もあり「この映画が大好きで、こういうラブロマンスを撮ってみたいですね。ロマンスものの台本を読む時にはいつもこの曲をかけています」と話すナムギル。ラストの男性と女性が出会うシーンがお気に入りだと話した彼は、ファンへのサプライズプレゼントとして、劇中の日本語ナレーションを完璧なイントネーションで披露した。これは公演の前日に急遽決まったとのことで、3時間の猛特訓をしたそう。
候補曲の最後に挙がったのは、米津玄師の「馬と鹿」。「米津玄師さんが好きですね。声がいいし、この曲は歌詞もいいので」と話すと、セクシーながらも伸びやかな歌声で「馬と鹿」のステージを披露した。
VCRを挟んだ後、黒と白のカーディガンというラフなスタイルに衣装チェンジしたナムギルが客席から登場し、Jung Joonilの「Hug Me」を熱唱。後半戦のスタートを告げると、ファン参加型のクイズコーナーやゲームコーナーでファンとの交流を楽しんだ。
名残惜しくも公演は終盤へ。2025年の計画を尋ねられたナムギルは「今年は公開される作品が2つあります。これまでは20代や30代の経験を活かして演技をしてきましたが、最近その経験や感情の衰えを感じています。僕に対して休み過ぎではという声もありますが、これからは休めません。予定している作品はたくさんありますし、これからも長いこと演技をしていくためには充電の時間が必要だったんです。長くは休みませんから、今後もずっと演技を続けられる俳優になりたいです」と、俳優業への思いを明かした。
最後に盛り上がる一曲として反町隆史の「Forever」を歌うと、客席も総立ちに。「みんな一緒に!」というナムギルの声に応え、ファンも声を合わせる。ラストの曲を終えたもののアンコールが鳴り止まず、ステージに戻ってきたナムギルは、自身の曲である「Can't I Love You」を情熱的に歌い上げ「愛してるよ!あざす!」と告げて舞台を後にする。
なおも止まないアンコールの声に応えて再度登場したナムギルは、ダブルアンコールとして米津玄師の「Lemon」を披露。名残惜しさに声を上げるファンに「僕はいくらでも、喉が枯れるまでやれます。でも、もう準備した曲がないんです。今日はここまでにして、皆さんもお家に帰ってご飯を食べて休みましょう」と優しく語りかける。最後に穏やかな声で「あざす」と別れの挨拶を残し、4時間超にわたる公演を締めくくった。
取材・文/元永真