中国の歴史エンタメ作品5選!チェン・クン主演「風起隴西」など、偉人や英雄のロマンあふれる物語が胸を打つ
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2025.02.26
悠久の歴史を持つ中国。その歴史を彩ってきた人物たちの物語は、実にドラマチックだ。中国史上初めて天下統一を成し遂げた始皇帝など、日本でもよく知られた人物から、歴史の表舞台には出ていない名もなき英傑まで、中国の歴史エンタメ作品をご紹介。
■キングダム 乱世の英傑
春秋戦国時代、覇を争った7つの国を1国1話のドキュメンタリータッチで描いた「キングダム~戦国の七雄」の第2弾として、7人の英雄にスポットを当てる。7人とは、燕(えん)国の世継ぎである姫丹(きたん)、秦(しん)国の将軍・白起(はくき)、楚(そ)国の王女で秦に嫁ぎ、始皇帝の高祖母となる宣太后(せんたいごう)、斉(せい)国を救った知者・田単(でんたん)、魏(ぎ)国の王子で政治家の魏無忌(ぎむき)、趙(ちょう)国の武将・李牧(りぼく)、楚(そ)国の王子で人質として送られた秦国で頭角を現した軍略家・昌平君(しょうへいくん)。国を思う心や強さ、巧妙な戦略で無情な乱世を駆け抜ける生きざまに目が離せなくなる。
■始皇帝~天下統一~
群雄割拠の世を統一するまでの始皇帝の苦難と葛藤を、全78話で描く。500年余りにわたる紛争が続き、楚、斉、燕、趙、魏、韓の六国の勢力が弱まる中、天下統一を目指して頭角を現し始めていた秦の国。趙国で人質となっていた父と母の元で誕生した嬴政(えいせい ※のちの始皇帝)は、わずか13歳で秦王に即位する。陰謀渦巻く中で成長し、真の王へとなっていく。総製作費は165億円といわれ、8年もの歳月をかけた脚本作りと、専門家や歴史学者を招いた時代考証によって衣装、建物だけでなく、人物の儀礼・動き、日常の礼儀作法など細かなところまで再現。歴史ドラマとして突出した仕上がりになっている。
■三国志 秘密の皇帝
後漢時代最後の皇帝となる第14代皇帝・劉協(りゅうきょう)が双子だったらという斬新な切り口と設定で、有名な歴史書「三国志」の世界を再構築。地方の司馬(しば)家に預けられていた楊平(ようへい)は、ある日突然、本名が劉平だという出生の秘密を聞かされ、亡くなった皇帝と入れ替わることに。素朴に育ち、心優しい青年が衰退する王朝の権力闘争に巻き込まれながら、どのような思いで新たな道を生きていくのか。主人公は架空となるが、曹操(そうそう)、司馬懿(しばい)など、「三国志」でおなじみの人物たちとの関係が巧みにつながっているのが面白い。
■風起隴西(ふうきろうせい)-SPY of Three Kingdoms-
原作は「三国志 秘密の皇帝」と同じ人気作家・馬伯庸(ばはくよう/マー・ボーヨン)の小説で、「史実を曲解せず、破壊しない」を前提に、名もなきスパイを主人公にした視点で「三国志」を歴史サスペンスに仕立てた作品。後漢が滅亡し、蜀漢(しょくかん)、曹魏(そうぎ)、孫呉(そんご)という三国が対立した時代、蜀漢の丞相(じょうしょう ※君主を補佐する最高位の官吏)・諸葛亮(しょかつりょう)は曹魏を討つため、北伐を開始するも作戦は失敗。蜀漢の間諜(かんちょう ※スパイ)の"白帝"として曹魏に潜入している、陳恭(ちんきょう)が裏切りを疑われることに。真偽を確かめ、本当ならば暗殺する密命を帯びた荀詡(じゅんく)が曹魏に送り込まれるが、2人には義兄弟としての絆が...。熱いドラマに心が躍る。
■永楽帝 ~大明天下の輝き~
明の時代の全盛期をもたらした第3代皇帝、永楽帝・朱棣(しゅてい)の激動の生涯を描く。明を建国した朱元璋(しゅげんしょう)の四男である朱棣は、若いころから戦場に出て軍略家として成長する。そんな中、皇太子である兄が早世し、甥(おい)が第2代皇帝・建文帝として即位。そこから朱棣は皇位を巡る戦いに身を投じることになる。大迫力の戦闘シーンを交えて、甥から帝位を奪うさまが描かれるが、その裏にある朱棣の胸の内を丁寧に映し出し、やがて国や民を思い、妻を愛する姿から厚みのある人物像が浮かび上がる。聡明さがうかがえる若き日の朱棣を、本作後に出演した「瑠璃~めぐり逢う2人、封じられた愛~」でブレークしたチョン・イーが演じる。
文/神野栄子