「宮廷女官チャングムの誓い」「トンイ」ほか一度は見てほしい韓国名作歴史ドラマ5選
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2025.01.24
韓流ドラマで欠かせないジャンルといえば、濃密かつ壮大なスケールで描かれる歴史もの。権力闘争や陰謀、その中で翻弄される切ない恋愛......など一度見たら抜け出せない要素が満載で、放送から20年以上経っても根強い人気を誇る作品も存在する。今回はそんな、一度は見てほしい韓国名作歴史ドラマ5選を紹介する。
「宮廷女官チャングムの誓い」 (C)2003-2004 MBC
■宮廷女官チャングムの誓い
まずは、韓国で最高視聴率57.8%という驚異の数字を叩き出し、日本での韓流時代劇ブームの火付け役となった「宮廷女官チャングムの誓い」(2003~2004年)。16世紀の朝鮮王朝時代を舞台に、貧しい家庭に育った主人公チャングムが数々の試練を乗り越えて宮廷料理人となり、王の主治医へと出世していくサクセスストーリーだ。高い人気ゆえ世界全域に輸出され、日本でも繰り返し再放送されている"韓流時代劇の金字塔"である本作の魅力は、第一に、どの時代に見ても楽しめる秀逸な脚本だ。厳しい身分制度の時代を生き抜くチャングムは、シリーズ前半は宮廷料理人、後半は女医として活躍。"食"と"医"という多くの人にとって身近かつ普遍的なテーマを取り扱い、視聴者を飽きさせない巧みなテンポで物語が展開していく。苦難や逆境を力強く乗り越えるチャングムを国民的女優のイ・ヨンエが多面的な演技で見事に表現し、劇中には、20年以上が経った今も人々に感銘や感動を授けてくれる名言(セリフ)が幾度となく登場し、視聴者をスカッとさせ、前を向いて生きる勇気を与えてくれる。
「朱蒙(チュモン)」 (C)All Rights Reserved by MBC 2006/7
■朱蒙(チュモン)
韓国歴代トップの週間視聴率35週連続1位を記録し、「宮廷女官チャングムの誓い」に並ぶ国民的ヒット作と言われる「朱蒙(チュモン)」(2006~2007年)も見逃せない大作だ。高句麗建国神話に登場する伝説の人物・朱蒙の人生を描く一代記で、朱蒙が試練や困難を乗り越えてたくましい男性へ成長していく姿に放送当時から多くの人が心を打たれた。見どころは総製作費400億ウォンを投じた映画並みのスケールとハイビジョン映像による大規模戦闘シーン。スリリングな武術アクションは現代の感覚で見ても驚がくの迫力だ。切ない三角関係などのロマンスを含んだ予測不可能なストーリーも極上の面白さ。何度見てもハラハラドキドキの展開に手に汗握ることだろう。
■トンイ
放送からまもなく15年を迎える「トンイ」(2010年)は、最下層の身分ながら宮廷の下働きを経て王の側室となり、のちの第21代王・英祖(ヨンジョ)の母となったトンイ(淑嬪崔氏/スクピンチェシ)の生涯を描く傑作。英祖は朝鮮王朝で最も在位期間が長いが母に関する記録は少なく、過去の作品では脇役でしかなかった淑嬪崔氏が初めて歴史ドラマのヒロインとなった。「宮廷女官チャングムの誓い」と同じ"時代劇の巨匠"イ・ビョンフン監督がメガホンを取り、チャーミングなロマンスや、熾烈な権力争いが横行する宮中で息子を守り育てる姿をドラマチックに紡いでいる。実力派女優ハン・ヒョジュが演じるトンイは持ち前の明るさと聡明さが好感度抜群で、周囲を太陽のように照らす。他の主要キャラクターも美男美女揃いの魅力的なキャスティング。「何度見ても飽きない」と今なお絶大な人気を集め、2020年代に実施された韓国時代劇ドラマ人気ランキングでも上位の常連だ。
■イ・サン
そんな「トンイ」の約半世紀"後"を描いた「イ・サン」(2007~2008年)も同じイ・ビョンフン監督の作品。トンイの子供(英祖)が本作の主人公イ・サンの祖父として登場し、民のための政治を行った祖父を目標に、社会の弊害を改革しようと果敢に取り組むイ・サンの姿を描く。アクション、身分違いの恋、政治的駆け引き、裏切り......など韓国歴史ドラマらしい要素が全て盛り込まれ、「宮廷女官チャングムの誓い」でも活躍したキャストが多く出演しているのも注目だ。
「ヘチ 王座への道」 (C)SBS
■ヘチ 王座への道
最後は、人気俳優チョン・イルの除隊後復帰作である「ヘチ 王座への道」(2019)。トンイの息子でイ・サンの祖父・英祖(本名イ・グム)の若き日を描いた正統派時代劇で、時系列的には「トンイ」と「イ・サン」の間となる(脚本家は全て同じ)。母の身分が低いために王族だと認めてもらえない"不遇の王子"イ・グムに扮したチョン・イルは、歪んだ権力に立ち向かう姿を品格漂う堂々とした佇まいで表現。「トンイ」「イ・サン」との繋がりを感じさせる歴史的背景や独特の緊張感、何よりもチョン・イルの圧巻のカリスマオーラにくぎ付けとなる。
現代ドラマとは異なるスケール感や情緒、登場人物たちの丁寧かつ繊細な心理描写が没入感をより一層高めてくれる韓流歴史ドラマ。不朽の名作から近年のヒット作まで、一度見たら沼落ち確実の魅力にハマってみてはいかがだろうか。
文/川倉由起子