食欲の秋!日本&アジアのおいしいグルメドラマを食べ比べ
特集 日本初
2024.09.04
趣味に没頭するには最適な秋がすぐそこまで来ている今日この頃、「食欲の秋」と「芸術の秋」を一度に味わえる日本とアジアのグルメドラマ4本を紹介。
実写映画『推しの子』や、2025年度前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」への出演も決定し、今注目の原菜乃華がドラマ初主演した「こむぎの満腹記」は、小麦を使ったグルメが大好きな女子大生・こむぎが主人公のポップなグルメドラマ。東京・青山の大学に通い、友達とおしゃれなランチを楽しみながらも、その足で1人、ラーメン店を訪れるほどの小麦料理を愛するこむぎは、お土産にもらったラスクの生産地でもある群馬・高崎市へ足を運び、炭水化物まみれのグルメツアーを満喫する。全国有数の小麦の生産地でもある同市で、焼きまんじゅうやパスタなどを次々と頬張り、至福の表情を浮かべる原の見事な食べっぷりはもちろん、パスタや揚げたてコロッケなど、おいしそうな庶民派グルメの数々も見逃せない。
一方、栗山千明が晩酌大好きな女性・美幸を好演している人気シリーズ第2弾「晩酌の流儀2」は、しっかり働いた1日を最高のかたちで締めくくる方法が学べるドラマだ。不動産会社に勤務し、クセの強い上司や物件探しで訪れる客と向き合う美幸。晩酌用のお酒を注ぐグラスを冷蔵庫に入れて出勤するほど、1日の最後に飲む1杯を大切にしている彼女は、お酒のおつまみにもこだわるタイプ。目にもおいしいおつまみの作り方が学べるだけでなく、冷えたグラスに注がれるお酒が奏でる炭酸のリズムや、泡ののどごしを堪能した美幸を演じる栗山から思わず飛び出す歓喜のため息など、耳でも晩酌の楽しさを堪能できる。
そして、豪華絢爛(けんらん)な中国宮廷料理の源流を垣間見られるのが、「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」のウー・ジンイエン&シュー・カイ再共演による「尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~」。朝貢貿易が栄えた15世紀の明朝・永楽帝の時代。王宮では連々と訪れる使節団をもてなすため、食文化にも重きを置いていた。そんな宮中を舞台に、食事をつかさどる尚食局の新人女官と、皇太孫による身分違いのロマンスを軸に描く宮廷サクセスストーリーでは、中国トップクラスの監修者とえりすぐりの料理人15人が現場に常駐し、1000を超える美食の数々をすべて本物で再現している。膨大な史料を基に現代によみがえった数百年前の宮廷料理や、調理過程で発生する食欲を刺激する音、そして美しい食器など、こだわりの品々は必見だ。
また、小籠包(ショウロンポー)や魯肉飯(ルーローハン)などの名物料理で知られる台湾でも、刑事サスペンスとグルメドラマを融合した新感覚エンターテインメント「美食無間」が誕生している。朱坡(ジュー・ポー)隊長は、暴力団による連続殺人事件の捜査のみならず、食にもこだわるグルメな刑事。ある日、彼は有名な火鍋店で自分と同じくらいに食への強いこだわりを持ち、さらに調味料に精通したすご腕の殺し屋・黎子東(リー・ズードン)と出会う。互いの正体を知らぬまま、意気投合した彼らは、いつしか朱坡と同じチームに配属された新米刑事・呉薇(ウー・ウェイ)も交え、みんなで食事を楽しむ仲に。「国内外の視聴者がこのドラマを見た後に台湾を訪れ、グルメを堪能し、旅を楽しんでほしい」というレスター・シー監督の思いが込められている本作には、台湾に実在する21の有名レストランや食堂で、実際に食べることができる35種類以上の料理が登場する。
見ているだけで幸せになれるグルメドラマ。今年の秋は、おいしい食べ物や飲み物を用意して、登場人物たちと会食気分を味わいながらドラマを楽しんでみるのも面白い。
文/中村実香