芝野虎丸×豊島将之インタビュー「竜星vs銀河」の舞台裏と囲碁・将棋のAI活用法
ドキュメンタリー TV初インタビュー
2026.03.16
囲碁・将棋チャンネルでは、公式棋戦として囲碁の「竜星戦」と将棋の「銀河戦」を主催している。その両タイトルホルダーが競演する特別番組「竜星vs銀河 頭脳バトル2026 芝野虎丸竜星 vs 豊島将之銀河」が3月21日に放送される。出演するのは、第34期竜星位の芝野虎丸と、第33期銀河位の豊島将之。囲碁と将棋、それぞれの第一線で活躍する二人が、トークや記憶力クイズ、NGワードゲーム、さらにはオセロ対決といった多彩な"頭脳バトル"で火花を散らす。収録後の二人にインタビューを行い、番組の感想やAI時代の戦い方、そして今後の目標について語ってもらった。

――頭脳バトルを興味深く拝見させていただきました。
芝野「記憶力クイズが本当に難しかったですね。事前にかなり難しいと聞いていましたが、想像以上でした」
豊島「瞬間的な記憶力が問われる問題でしたね。正直、勘で当たった部分も多かったです。もともと記憶力に自信があるタイプではないので」
――NGワードトークも面白かったです。
芝野「初めてのゲームだったので、どう攻めるか難しかったです。あまり直球でいくと気づかれてしまいますし。自分のNGワードも意外で、予想外でした」
豊島「予想しやすいワードもあれば、まったく意外なものもあって。駆け引きが面白かったですね」
芝野「少し攻め過ぎたところは反省しています(笑)」
――オセロ対決も白熱しましたね。
豊島「実はオセロはあまり経験がなくて。教わった通りに打とうとしたのですが、途中で全部取られそうな気がして、戦法を変えました」
芝野「持ち時間が30秒というルールは、少し短く感じましたね」
豊島「私の場合、長く考えてもあまり変わらなかったかもしれません(笑)」

――収録を終えての感想をお願いします。
豊島「芝野さんとは7年ぶりにお会いしましたが、とても楽しい時間でした」
芝野「私も再会を楽しみにしていました。トークも面白かったですし、合間にもたくさんお話できました。普段から将棋界のことも気になって検索したりしていますし、豊島さんのご結婚のニュースも存じ上げていました(笑)」
豊島「以前はネット碁をよく打たれているとおっしゃっていましたが、今はAIを駆使されているとのことで、時代の変化を感じました」
芝野「囲碁界ではAIが急速に普及しましたからね。使い方は人それぞれですが、私は"答え合わせ"の感覚で活用しています。まず自分なりの結論を出してから、AIの手を確認するようにしています。」
豊島「将棋も同様で、初見の局面でどう指すかが重要です。その質を高めるためにAIを活用しています。使いこなすのは大きな課題ですが」

――これまでで最もうれしい勝利は?
芝野「17歳で初めて竜星を獲得し、日中竜星戦で柯潔(か・けつ)九段に勝った一局です。当時、世界一とも言える存在でしたので、非常に印象深いです」
豊島「2018年、初めてタイトルを獲得した棋聖戦です。相手は羽生善治九段でした。何度も跳ね返されてきたので、あの時の喜びは特別でした」
――今後の目標をお聞かせください。
豊島「一番の目標は、できるだけ長く現役を続けることです。タイトルにこだわるというより、少しでも長く棋士として現役でいたいです」
芝野「私も同じです。その上で、世界戦では最高成績がベスト4なので、いつか優勝して世界一になりたいと思っています」

――最後に番組を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
豊島「芝野さんとのトークはもちろん、クイズやゲームなどの頭脳バトルも見どころです。ぜひ楽しんでください」
芝野「対局以外の姿を見られる機会は少ないと思いますので、この番組での新鮮な一面も楽しんでいただけたらうれしいです」
取材・文/渡辺敏樹 撮影/中川容邦
【プロフィール】
芝野虎丸
囲碁棋士。10代で名人位獲得、史上最年少での七大タイトル獲得、九段昇段、三冠達成など、数々の最年少記録を塗り替えてきた。一力遼(いちりきりょう)、許家元(きょ・かげん)と共に「令和三羽烏」と呼ばれ、最年少記録を塗り替えてきた。
豊島将之
将棋棋士。平成生まれ初のプロ棋士。2018年に初タイトルを獲得し、史上4人目の「竜王・名人」同時保持を達成するなど通算6期獲得。AIを駆使した極めて緻密な序盤研究と、正確無比な指し回しを武器とする。




