映画『ウィキッド ふたりの魔女』にも主演!4オクターブの歌姫アリアナ・グランデの軌跡
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2025.03.05
第97回アカデミー賞で、主要部門を含む10部門にノミネートされている映画『ウィキッド ふたりの魔女』が3月7日に公開される。本作は、名作「オズの魔法使い」の前日譚として、"悪い魔女"と"善い魔女"の過去を二人の視点で描く物語だ。後に悪い魔女となるエルファバ役を、トニー賞やエミー賞、グラミー賞など数多くの賞を受賞してきたシンシア・エリヴォ、善い魔女グリンダ役をアリアナ・グランデが務める。唯一無二の歌声を持つ世界的スーパースター・アリアナがグリンダを演じることもあり、公開前から大きな期待が寄せられている。
8歳で国歌斉唱も!ミュージカルで歌と演技の才能を開花
アリアナ・グランデは1993年6月26日、アメリカ・フロリダ州ボカラトンに生まれた。幼少期から歌うことが大好きで、8歳の時には北米プロアイスホッケーリーグの試合で国歌斉唱を行うほどの実力を発揮。劇団にも所属し、ミュージカル『アニー』で主演を務めたほか、『オズの魔法使い』にも出演した。13歳で音楽の道を志し、14歳で楽曲制作を開始するが、しばらくは演劇を中心に活動を続けた。2008年、15歳の時にブロードウェイミュージカル『13』に出演し、チアリーダーのシャーロット役を演じて賞を受賞。舞台上で披露された歌唱力の高さで、早くも注目を集めた。
2010年に放送が始まったドラマ「ビクトリアス」でキャット・バレンタイン役を射止めると、そのキュートな赤髪と個性的なキャラクターで人気を集め、シリーズはシーズン4まで続く大ヒットに。同時期にYouTubeでマライア・キャリーやホイットニー・ヒューストンの楽曲をカバーする動画を投稿し、その歌声が話題となった。2011年、「プット・ユア・ハーツ・アップ」で歌手デビューを果たすが、アリアナ自身はポップスではなくR&B志向が強く、本格的な音楽活動のスタートは「ビクトリアス」が終わってからだった。
デビューアルバムが全米1位に!世界が注目する歌姫の誕生
2013年、デビューアルバム『ユアーズ・トゥルーリー』を8月に発表。ビルボードチャート初登場1位を獲得し、約14万枚のセールスを記録する。歌唱力の高さから"ネクスト・マライア・キャリー"と称され、注目を浴びる。2014年には、「プロブレム」「ブレイク・フリー」、ジェシー・J&ニッキー・ミナージュとのコラボ曲「バン・バン」などのヒットを連発。2ndアルバム『マイ・エヴリシング』もチャート1位に輝いた。2015年にはワールドツアー「ハネムーン・ツアー」で日本を訪れ、「SUMMER SONIC 2015」に出演。東京国際フォーラムで単独ライブも開催し、日本でも人気を確立する。
2016年には3rdアルバム『デンジャラス・ウーマン』をリリースし、日本のオリコン年間洋楽チャート1位を獲得。さらに2度目のワールドツアー「デンジャラス・ウーマン・ツアー」も行うが、2017年5月のマンチェスター公演で会場がテロ攻撃を受ける悲劇が発生。23人が犠牲となる事件に直面しながらも、アリアナは翌月に「One Love Manchester」と題したチャリティー公演を開催。被害者の家族や観客を招待し、コールドプレイやケイティ・ペリーら豪華アーティストと共に追悼と希望のメッセージを届けた。その後、ツアーを再開し、8月には日本公演も実施。2018年にはアルバム『スウィートナー』をリリースし、「ノー・ティアーズ・レフト・トゥ・クライ」は事件の被害者への想いが込められた楽曲となった。半年後には『thank u, next』を発表し、短期間でのリリースにもかかわらず大ヒットを記録。2020年代に入ってもその勢いは衰えず、昨年リリースされた『エターナル・サンシャイン』も世界的な注目を集めた。
作品をリリースするたびに世界的な話題となるアリアナ。映画『ウィキッド ふたりの魔女』では、どんな演技と歌で楽しませてくれるのか。J:COM STREAMで配信中の「アリアナ・グランデ ポップ・プロフィール」「アリアナ・グランデ マイ・ウェイ」では、アリアナの活動が貴重な映像を交えて見ることができるので、ぜひチェックしてほしい。
文/田中隆信