佐渡島の金山も登録決定!一度は訪れたい日本の世界遺産を感動映像で体感
ドキュメンタリー CS初
2024.10.03
長きにわたる歴史と豊かで美しい自然を有する日本。紀行番組「日本の世界遺産」では、日本が世界に誇る"人類共通の財産"を美しい映像で堪能できる。
悠久の歴史と人類の叡知(えいち)から生み出された世界遺産。1972年にユネスコ総会で採択された条約に基づいて、顕著な普遍的価値を持つ建造物、遺跡や景観そして自然が世界遺産リストに記載される。7月に「佐渡島の金山」の登録が決定し、日本では文化遺産21件、自然遺産5件の計26件が登録されている。その中から、10月に放送される「日光の社寺」「平泉」「屋久島・白神山地」「古都奈良の文化財」を紹介。
日光の社寺:徳川幕府の聖地
1999年に登録された「日光の社寺」は、栃木・日光山内にある日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)の建造物群と、これらの建造物群を取り巻く遺跡(文化的景観)が含まれる。パワースポットとしても人気の高い日光は、自然環境と建造物群が一体となった徳川家康公の霊廟(れいびょう)として知られる徳川幕府の聖地。家康はこの地に自身を祭った堂を造ることを遺言として残し、3代将軍・家光によって壮大な霊廟として造り変えられたと伝わる。天下太平の世で平和を謳歌(おうか)する庶民たちが、足しげく訪れる信仰の中心地となった。美しい新緑や紅葉に彩られた山々、彫刻や彩色などの建築装飾と見どころ満載だ。
平泉:仏国土を表す建築と庭園
2011年に登録された「平泉」は、岩手・平泉町で良好に保存されている、仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群を指す。平安時代末期に4代100年にわたり栄華を極めた奥州藤原氏が「極楽浄土」を目指した仏都だった。中尊寺や毛越寺など、寺院の大伽藍(がらん)が立ち並び、幽玄な浄土庭園が季節を彩り、黄金に包まれた仏像はまばゆいばかりの輝きを放つ。現世の極楽浄土を表した平泉は、日光とはまた異なる趣がある。
屋久島・白神山地:日本初の世界自然遺産
1993年に日本初の世界自然遺産として登録された「屋久島」と「白神山地」。鹿児島県の南南西約60kmの海上に位置する屋久島は、ほぼ全域が山地となっている。中央部の宮之浦岳を含む屋久杉自生林など、島の面積の約21%にあたる107.47km²が世界遺産だ。そして、青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がる白神山地は、ブナの森が途切れなく広範囲に残された貴重な山域。人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布し、貴重な種を含む多種多様な生物を育む森林生態系が形成されている。豊かで美しい自然の偉大さに圧倒される。
古都奈良の文化財:シルクロードの終着点
1998年に登録された「古都奈良の文化財」は、唐の都・長安をモデルに造られたユーラシア大陸を横断するシルクロードの終着駅ともいわれる。710年に平城京が新しい都に定められて以来、政治・経済の中心として発展を遂げ、数多くの仏教建築や仏教美術を産み出してきた。東大寺や興福寺、春日大社など、1300年余の時を経て今もこの地に息づく文化財は、歴史の重みを感じさせる。
成り立ちから歴史、価値ある文化遺産や自然遺産を紹介していく本シリーズ。映し出される雄大な自然、貴重な建造物や遺跡の数々に、旅に出たい気持ちに駆られる。一度は訪れてみたい日本の世界遺産を、まずは映像で予習してみるのもいいだろう。
文/中川菜都美